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MOTOGP 2018 ROUND 1
QATAR

■予選:3月17日/決勝:3月18日
■開催地:ロサイル・インターナショナルサーキット(カタール)

開幕戦から熾烈な攻防の応酬に
前年王者の追撃を退けドビツィオーゾが勝利

ミシュランが公式タイヤサプライヤーとなって3年目となる2018年シーズンのMotoGP。その開幕戦で、ナイトレースとして開催されたカタールGPは、トップグループを形成した8台以上のマシンがレース終盤に至るまで数珠つながりになりながら熾烈な攻防を繰り広げ続ける緊迫感あふれるレースとなりました。やがてトップ争いは、昨シーズンにおいてチャンピオンの座を争ったドゥカティのアンドレア・ドビツィオーゾとホンダのマルク・マルケスの一騎討ちとなり、最終ラップの最終コーナーで仕掛けてきたマルケスのアタックをドビツィオーゾが退けて優勝を飾りました。なお、予選ではテック3・ヤマハのジョアン・ザルコによって10年ぶりにコースレコードが塗り替えられ、このフランス人ライダーの速さとともにミシュランMotoGPタイヤのさらなる進化が印象づけられました。

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カタールGP優勝
アンドレア・ドビツィオーゾ
(ドゥカティ・デスモセディッチGP18)

最終ラップの最終コーナーを立ち上がり、真後ろにマルク・マルケスがつけるも、決して前に出すことなく真っ先にチェッカーフラッグをかいくぐったドビツィオーゾ。昨シーズン中に何度も直接対決を展開したライバルをシーズンの初戦から真っ向勝負で下し、カタールGPのMotoGPクラスでは出場11回目で初めて勝利を手に入れました。

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ミシュランは今シーズンもMotoGP全戦にフロント/リアともに3種類のスリックタイヤと同じく2種類のレインタイヤを持ち込み、すべてのMotoGP ライダーのすべての走行を足元から支えます。今大会の舞台であるロサイル・サーキットは右回りのコーナーの方が多いレイアウトであることから(左コーナー が6カ所であるのに対して右コーナーは10カ所)、リアタイヤに関してはスリックとレインのすべての種類を右側のショルダー部に左側より固めのコンパウン ドを使用した左右非対称コンパウンド仕様として臨みました。

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ロサイル・サーキットのこれまでのコースレコードは、2008年にホルヘ・ロレンソがヤマハYZR-M1でマークした1分53秒927でしたが、この記録が今回10年ぶりに更新されました。従来のコースレコードを上回るタイムを記録したのは、新レコードとなる1分53秒680を叩き出したテック3・ヤマハのジョアン・ザルコを筆頭に、ホンダのマルケス、プラマック・ドゥカティのダニロ・ペトルッチという3人でした。従来のコースレコードが予選専用タイヤによるものであったのに対して、新しいレコードは予選/決勝レース共通のタイヤで記録されたもの。100km以上のレース距離を確実に走り切ることを念頭に置いて作られたミシュランのMotoGP公式タイヤが、ほんの数周だけ最高のグリップを発揮すれば良かった予選専用タイヤを上回るパフォーマンスを有していることが示された格好になりました。

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10名前後のライダーが数珠つながりになりながら競り合いを展開。そんな緊迫した状況が、今回のレースでは序盤から終盤に至るまで延々と続きました。その背景には、出場全車がリアにソフトタイヤを履き、各ライダーはその性能の温存に努め続けた、という事情がありました。

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22周のレースも残るは4周となったところでドビツィオーゾは全力でプッシュするライディングに移り、19周目には今大会のファステストラップを記録しました。しかし、マルケスも互角のペースで食い下がり続けます。そして迎えた最終ラップの最終コーナーでマルケスは一発逆転を狙ったレイトブレーキングを敢行。しかし、オーバースピードによりラインがやや膨らみ、そのマルケスの動きを冷静に見ていたドビツィオーゾがクロスラインで抜き返してシーズンの開幕戦を見事に制しました。

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ドビツィオーゾとマルケスに続く3位に入ったのはバレンティーノ・ロッシでした。このほど、今年を含めてさらに3シーズンにわたりMotoGPに参 戦し続けることが決定した39歳の生ける伝説は、ドビツィオーゾとマルケスをかわすだけのスピードは今回はなかったものの、結果的には彼らに1秒も遅れぬ 僅差でフィニッシュ。チームメイトのマーベリック・ビニャーレスも予選12位から追い上げて6位入賞を果たし、シーズン前のテストでの不振が伝えられてい たヤマハ勢ですが上昇ムードのもとで開幕戦を終えました。

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今年もアンドレア・イアンノーネとアレックス・リンスのふたりで戦うスズキですが、MotoGP参戦2年目のリンスが序盤からトップグループの中で快走を披露。しかしながら、残り10周というところで転倒を喫してリタイアとなりました。一方、イアンノーネはレース中盤からフロントに自信を持てなくなったためにペースを落とし9位でのフィニッシュに。それでもスズキ陣営としては、不本意な成績に終わった昨年と比べてパフォーマンスは明らかに上向きであることを示した開幕戦となりました。

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現在の体制で4シーズン目のMotoGP参戦となるアプリリア。決勝レースでは在籍2年目を迎えたアレイシ・エスパルガロがスズキのイアンノーネとプラマック・ドゥカティのジャック・ミラーの真後ろにつける11位で最終ラップを迎えたものの、燃料系のトラブルに見舞われてエンジンがストップ。惰性でゴールまでマシンを運んで19位に。新加入のスコット・レディングはリアのグリップを十分に得られない症状に悩まされながらのレースとなって20位に終わりました。

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MotoGP参戦2年目を迎えたKTMも難しい開幕戦を余儀なくされました。ポル・エスパルガロはメカニカルトラブルにより自らピットに入ってリタイア。ブラッドリー・スミスはレース中盤からフロントのグリップを十分に得られなくなってペースが落ち、18位でのフィニッシュとなりました。

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今大会の決勝レースではすべての出場ライダーがリアにソフトタイヤを選択しました。一方、フロントには3種類のタイヤがすべて使用され、前後ともソフトで臨んだペトルッチもトップから3.8秒差の5位でフィニッシュ。そして、コースレコードが10年ぶりに更新され、レース中のファステストラップも昨年大会のものから0.7秒以上も短縮されるなど、ミシュランのMotoGP公式タイヤの性能向上が印象づけられた一戦となりました。

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