MOTOGP 2018 ROUND 10
CZECH
■予選:8月4日/決勝:8月5日
■開催地:オートモトドロム・ブルノ(チェコ)
三つ巴のスクラッチバトルを制し
ドビツィオーゾが今季2勝目をマーク
MotoGPの2018年シーズン後半の幕開けを飾る第10戦チェコGPは、複数のライダーによるトップ争いが延々繰り広げられる好レースとなりました。そして、この戦いを制したのはドゥカティのアンドレア・ドビツィオーゾで、今季2勝目をマーク。2位には0.178秒の僅差でチームメイトのホルヘ・ロレンソが続き、ドゥカティ勢の1-2フィニッシュとなりました。なお、今大会の表彰台に上った3人のライダーはいずれも決勝レースの最終ラップで各自のベストタイムを記録。レース終盤に至っても高いパフォーマンスを発揮し続けるミシュランタイヤの性能の高さが図らずも示される結果となりました。
チェコGP優勝
アンドレア・ドビツィオーゾ
(ドゥカティ・デスモセディッチGP18)
レース終盤に至っても互い触れ合うほどの距離で競り合い続けたアンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)、マルク・マルケス(ホンダ)の3名。相手がチームメイトであっても容赦なくアタックしていったロレンソの追撃を振り切り、ドビツィオーゾが激戦を制しました。なお、彼ら3名はいずれも最終ラップにおいて各自のレース中のベストタイムを叩き出し、最速ラップはロレンソが記録しました。
今大会が開催されたオートモトドロム・ブルノは、フロントタイヤだけですべての荷重を支えてコントロールすることが求められるようなハードブレーキング区間や、リアタイヤにいきなりフルパワーが与えられる低速コーナーからの立ち上がり区間など、タイヤにとって過酷なセクションがちりばめられた難しいサーキットです。左コーナーの数と右コーナーの数は同じくらいですが、タイヤの右側に強大なストレスがかかる右コーナーがいくつもあることから、ミシュランはスリックとレインの全種類のリアタイヤを右側ショルダー部により固めのコンパウンドを使った左右非対称コンパウンド仕様として持ち込みました。
好スタートを決めてまず首位に立ったのは予選2位につけたヤマハのバレンティーノ・ロッシでしたが、1周目のうちにドビツィオーゾがレースリーダーに。ただし、レース序盤はどのライダーもペースを抑え気味に走り、タイヤの温存に努めました。
ドビツィオーゾを先頭に、ロッシ、マルケス、ロレンソ、プラマック・ドゥカティのダニロ・ペトルッチ、LCR ホンダのカル・クラッチローの6人によるトップ争い。周回を重ねるにつれて彼らのペースは上がっていき、抜きつ抜かれつの激しさも高まっていきました。
レース終盤にはチームメイトのロレンソが激しくチャージしてきましたが、これを冷静に振り払ったドビツィオーゾが開幕戦カタールGP以来となる今季2勝目をマーク。ロレンソが僅差の2位で続き、ドゥカティは第6戦イタリアGPに続いて今季2度目となる1-2フィニッシュを飾りました。
今大会ではドゥカティ勢がコーナーからの立ち上がりで特に速さを見せ、それに対してホンダのマルケスにはもうひとつ決め手に欠けた感がありました。それでもマルケスは他のライバルたちを確実に上回ってみせて3位でフィニッシュし、今季8回目の表彰台に。首位を走り続けるポイントランキングでのリードもまた広げました。
タイヤにとって厳しい条件が重なった今大会でしたが、表彰台に上ったドビツィオーゾ、ロレンソ、マルケスの3人はいずれも最終ラップで各自のベストタイムをマーク。優勝のドビツィオーゾは「特にフロントタイヤがよく働いてくれた。ここはバンプが多く、ただでさえ難しいサーキットだから、今日のミシュランタイヤのパフォーマンスにはなおのこと満足している」と語りました。