MOTOGP 2023 ROUND 10
AUSTRIA
■予選:8月19日/決勝:8月20日
■開催地:レッドブルリンク(オーストリア)
■レース周回数:28周(121.744 km)
難コースでもミシュランタイヤが高性能を安定的に発揮
ドゥカティのバニャイアがパーフェクトウインを飾る
ミシュランが出場全車に公式タイヤを供給して行われている二輪ロードレースの世界最高峰シリーズ MotoGPの2023年シーズン第10戦オーストリアGPが開催され、Ducati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアが、ポールポジション獲得、スプリントレース優勝、決勝レース優勝のいずれも果たし、この週末を完全制圧しました。また、今大会では、Mooney VR46 Racing Teamのマルコ・ベッツェッキがレッドブルリンクにおけるMotoGPマシンのオールタイムラップレコード(史上最速ラップタイム)を、Ducati Lenovo Teamのエネア・バスティアニーニが同じく最高速度記録を、そしてバニャイアが決勝レース中の最速ラップタイム記録をそれぞれ更新。タイヤにひときわ大きな負荷がかかる同コースにおいて、ミシュランタイヤのさらなる進化が示されました。
オーストリアGP優勝
フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・デスモセディッチGP23)
ディフェンディングチャンピオンであるバニャイアは、予選で最速タイムをマークすると、土曜日のスプリントレース、日曜日の決勝レースの双方で、ライバルたちを寄せ付けぬ走りを見せて独走優勝。首位を走り続けている今シーズンのチャンピオン争いにおいても独走態勢に入りました。なお、バニャイアは、14周のスプリントレース、28周の決勝レースのどちらも、フロントはハード、リアはミディアムのMICHELIN Power Slickを使用して戦いました。
レッドブルリンクは起伏に富み、下りながらブレーキングを行う状況があります。そこでのフロントブレーキの発熱量は非常に大きく、その熱がホイールリムを通してフロントタイヤに伝わることを極力抑える工夫を各チームは見せていました(写真はヤマハYZR-M1)。
土曜日の午前に行われた予選では、前年王者の#1 バニャイアが今季5度目となるポールポジションを奪取。彼は同日午後のスプリントレースでも突出した強さを見せ、スタートで首位に立つと、そのまま独走。今季スプリントレース4勝目を飾りました。
バニャイアは、日曜日の午後に28周で争われた決勝レースも完全に支配。スタートで首位に立つと、3周目にはレッドブルリンクにおけるMotoGP決勝レース中の最速ラップタイム記録を更新。2位に5秒を超える大差を築いて今シーズン5勝目を挙げました。
ミシュランは今大会に、強化タイプの構造を採用した特別なリアタイヤを投入。タイヤにひときわ高い負荷がかかるコースであるレッドブルリンクでの28周=120kmにわたる決勝レースでも、高いグリップ性能を安定的に発揮して、各ライダーを支えました。
構造が通常コース用より硬めであった今大会のリアタイヤでしたが、それを各ライダーが初めて使用した金曜午前のフリープラクティスで、マルコ・ベッツェッキが新しいオールタイムラップレコードを樹立。ミシュランの技術の確かさを結果で証明しました。
サステナブル材料を、高性能二輪タイヤでは他に例を見ない高い割合(前輪に34%、後輪に52%)で使用したミシュランの公式タイヤを出場全車が履くMotoE。今大会では、開催された2レースともにHP Pons Los40の#40 マッティア・カサデイが制しました。