2018年MotoGP第13戦サンマリノGPが行われ、ドゥカティのアンドレア・ドビツィオーゾがライバルたちを寄せ付けず今季3勝目をマーク。イタリア製マシンに乗るイタリア人ライダーがイタリア開催ラウンドを制する結果となりました。また、予選ではドゥカティのホルヘ・ロレンソが新しいコースレコードを樹立し、決勝レース中のラップレコードもドビツィオーゾによって更新されるなど、今回のサンマリノGPはレコードラッシュの一戦となりました。
27周のレースの6周目でトップに立ったドビツィオーゾは、9周目には決勝レース中の新しいラップレコードを記録する好調な走りを続け、後続の接近を許すことなくフィニッシュ。第10戦チェコGPに続く今季3勝目を挙げ、ライダー選手権のポイントランキングでも2位に浮上しました。
ホールショットを奪ったのはポールポジションから出たドゥカティのホルヘ・ロレンソでした。ただし、その背後にはドビツィオーゾがぴたりとつけ、6周目にはチームメイトをかわしてトップへ。そして、2周目に3位に上がったホンダのマルク・マルケスが2位に後退したロレンソとの差を徐々に詰めていきました。
トップに立ったドビツィオーゾの後方では、ふたりのスペイン人ライダーが2位争いを激しく展開。11周目にはマルケスがロレンソの前に出ましたが、19周目にはロレンソがマルケスを抜き返し、約2秒前を走っていた首位ドビツィオーゾの追撃に移ります。そしてロレンソは先行するチームメイトとのギャップをじりじりと詰めていきましたが、残り1周半というところでスリップダウン。再スタートを切ることはできたものの、ロレンソはポイント圏外の17位に終わりました。
母国開催の一戦で会心の勝利を挙げたドビツィオーゾ。これによりドゥカティは、開催中止となった前戦イギリスGPをはさみながら、第10戦チェコGPから続く3連勝を飾りました。なお、ドゥカティの3連勝は2008年以来のことでした。
ロレンソの転倒によりレース終盤で3位に繰り上がったLCR ホンダのカル・クラッチロー。優勝を飾った第2戦アルゼンチンGP以来となる表彰台を獲得し、インディペンデントチーム（※バイクメーカーのワークスチームではないチーム）から出場するライダーの最上位ランキングに浮上しました。
アレックス・リンスが2位に食い込んだ第8戦オランダGPの後はまとまらないレースが続いたスズキワークスでしたが、今大会ではリンスが4位に入賞。チームメイトのアンドレア・イアンノーネも8位でフィニッシュし、シーズン終盤に向けて手応えを得たレースとなりました。
今大会では予選における絶対コースレコードと決勝レース中のラップレコードの双方が更新されました。そして決勝レースでは、フロントとリアで合計6種類用意したドライコンディション用のMICHELIN Power slickのすべてがいずれかのライダーによって選択され、27周＝114.102kmのレースにおいてそれぞれの持ち味を発揮。進化し続けるミシュランタイヤのパフォーマンスと懐の深さが改めて示された一戦となりました。
