ミシュランが出場全車に公式タイヤを供給して行われているMotoGP世界選手権の2023年シーズン第17戦タイGPが行われ、Prima Pramac Racingのホルヘ・マルティンが、予選ポールポジションの獲得、土曜日のスプリントレースでの優勝、日曜日の決勝レースでの優勝のいずれも成し遂げ、この週末の完全制覇を果たしました。マルティンが予選で記録したベストタイムは、開催コースにおけるMotoGPマシンの史上最速ラップタイム（オールタイムラップレコード）の新記録となるものでした。また、予選の上位８名までが従来のオールタイムラップレコードを更新し、ミシュランタイヤの進化が今回も如実に示されました。
オールタイムラップレコードで今季４度目のポールポジションを獲得したマルティンは、今季７度目のスプリントレース優勝、そして今季４度目の決勝レース優勝を果たしました。そして、ポイントリーダーであるDucati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアとの差を13ポイントにまで圧縮。今大会を終えたところで残るは３戦となった今シーズンですが、チャンピオン争いの過熱は必至の状況となりました。
チャーン国際サーキットでのMotoGP開催はこれで４回目。今大会においてミシュランは、MICHELIN Power Slickのリアタイヤについては、標準より内部構造を強化した仕様を用意。トロピカルな雰囲気とは裏腹に、タイヤにシビアなこのコースでの試練に備えました。
MotoGPは、ヨーロッパ圏外でのレースを９週間のうちに６戦こなすハードスケジュールの真っ只中。ミシュランは、休みのない連戦の中で、次の週の前半には新たなレース開催地で機材や人材を確実に機能させる、というロジスティクス的な試練にも挑んでいます。
予選では、今シーズン後半の最速男であるマルティンが、アグレッシブな走りで新しいオールタイムラップレコードを叩き出してポールポジションを獲得。予選８位までのライダーが従来レコードを更新するという、レベルの高いタイムアタック合戦となりました。
土曜日の午後に13周の周回数で行われたスプリントレースはマルティンの独壇場。スタートから一度も首位を譲ることなく、今季７度目のスプリント優勝を達成しました。出場21名中20名のライダーが前後ともにMICHELIN Power Slickのミディアムを使用しました。
21名中19名のライダーが、フロントにミディアム、リアにはハードを選択した26周の決勝レースでは、#89 マルティン、#33 ブラッド・ビンダー、#1 バニャイアが熾烈な接近戦を最後まで展開。今シーズン屈指の白熱したトップ争いをマルティンが制し、今季４勝目を手にしました。
予選では８名のライダーが従来のオールタイムラップレコードを更新し、決勝レースにおける最速ラップの新記録もMooney VR46 Racing Teamのマルコ・ベッツェッキによって打ち立てられ、ミシュランタイヤの進化が過酷な走行条件のもとで鮮やかに示された一戦となりました。
