MotoGP 2022 ROUND 19
MALAYSIA
■予選:10月22日/決勝:10月23日
■開催地:セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア)
■レース周回数:20周(110.86 km)
熱帯のマレーシアGPでも各種記録が更新
バニャイアが7勝目でタイトルに王手をかける
全20戦で争われている2022年シーズンのMotoGP。その最終戦のひとつ前のレースとなる第19戦マレーシアGPが開催され、ドゥカティのワークスチームであるDucati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアが、従来記録を上回るレースタイムで今季7勝目を飾り、MotoGPでの初タイトルに王手をかけました。また、ドゥカティのサテライトチームであるPrima Pramac Racingのホルヘ・マルティンが、予選でオールタイムラップレコードを塗り替え、決勝ではレース中のファステストラップの新記録を樹立。スピードの指標である記録が今大会では3種類も一気に更新され、出場全車が使用するミシュランMotoGP公式タイヤの進化がまたしても示されました。
マレーシアGP
#63 バニャイアvs#23 バスティアニーニ
来シーズンにはドゥカティワークスでチームメイト同士となる彼らが、一騎討ちでの優勝争いを繰り広げたのも、今シーズンに入ってこれで3回目でした。今回の軍配は#63 バニャイアに挙がりましたが、0.270秒という僅差でフィニッシュラインを相次いで通過したふたりは、そろってレースタイム最速記録を更新しました。
セパン・サーキットにおけるMotoGPのタイムでは、1分58秒がひとつの“壁”でした。それを今回の予選でホルヘ・マルティンが破り、1分57秒790をマーク。2戦連続のポールを奪いました。
9番手グリッドからスタートした#63 バニャイアが驚異的なダッシュを決め、一気に2番手に。唯一その前を走った#89 マルティンは2周目に新コースレコードを叩き出し、逃げを図りました。
マルティンは7周目に転倒。その後はバニャイアとバスティアニーニによる優勝争いとなりましたが、これを制したバニャイアは、ポイントのリードをさらに拡大して最終戦に向かうことに。
前戦での転倒・無得点によりランキングトップから陥落したヤマハのファビオ・クアルタラロでしたが、今回は3位でフィニッシュ。第13戦オーストリアGP以来となる表彰台に上りました。
シャンパンボトルを合わせて健闘を称え合うトップ3。写真中央のクアルタラロは、タイトル防衛の可能性を首の皮一枚でつないだ状態で最終戦バレンシアGPに臨むことになりました。
会心の勝利を支えてくれたミシュランタイヤのレース後の摩耗状態を確認するバニャイア。今大会ではすべてのライダーが、フロントにはミディアム、リアにはソフトのMICHELIN Power Slickを選択。疑問を挟ませぬハイパフォーマンスの安定性が、ファステストラップと優勝レースタイムの双方の更新をもたらしました。