出場全車がミシュランタイヤを使用する二輪ロードレースの世界最高峰、MotoGP世界選手権の2023年シーズン第19戦カタールGPが開催され、Gresini Racing MotoGPのファビオ・ディ・ジャンアントニオが優勝。25歳のイタリア人ライダーがMotoGPキャリア初の勝利をつかみました。
舞台であったロサイル・サーキットは、設備の全面リニューアルとコース全体の再舗装が行われたばかりでしたが、スケジュールの都合から、事前テストは無しでの今大会の開催でした。ミシュランとしては、新しい路面におけるタイヤの摩耗度合などのデータを得られずに公式タイヤを用意せねばなりませんでしたが、これまでに積み上げてきた知見とデータに基づいて、今大会用のタイヤを準備しました。すると予選では、出場した21名のうち11名のライダーが、従来のオールタイムラップレコードを上回るタイムをマーク。決勝レース中の最速ラップタイム記録も更新されるなどして、ミシュランが行った仕事の適切さが示されました。
カタールGP優勝
ファビオ・ディ・ジャンアントニオ（ドゥカティ・デスモセディッチGP22）
３戦前のオーストラリアGPでMotoGPキャリア初の表彰台を獲得したディ・ジャンアントニオでしたが、今大会では、予選で２位を獲得し、土曜日のスプリントレースでも２位に。そして日曜日の決勝レースでは、ドゥカティワークスのフランチェスコ・バニャイアとの一騎討ちを制して初優勝をつかみました。なお、従来記録を更新する最速ラップタイムが、前戦の勝者エネア・バスティアニーニによって最終ラップに記録され、ミシュランが追求しているテーマ"PERFORMANCE MADE TO LAST"が明らかな結果をもって実証されました。
路面の再舗装後のロサイル・サーキットで初めて行われた二輪レースが今大会でした。事前テストもなかったことから、ドライコンディション用のMICHELIN Power Slickについてミシュランは、前後のタイヤの種類を通常のMotoGP戦より１つずつ多く設定し、フロントは４種類、リアは３種類を用意しました。
予選では、出場ライダーの半数を超える11名が、従来のオールタイムラップレコードを更新。その中でもMooney VR46 Racing Teamのルカ・マリーニが、従来記録を約１秒も上回る１分51秒762という最速タイムを叩き出して、今シーズン２度目のポールポジションを獲得。予選トップ６をドゥカティ勢が占めました。
