フランスはル・マン市にあるブガッティ・サーキットで開催されたMotoGPの2021年シーズン第5戦は、スタートから数周のうちに降り出した雨のため、各ライダーは次々にピットインしてレインタイヤを装着したマシンに乗り換えレースを継続するという進行のレースとなりました。このトリッキーな戦いを制したのはDucati Lenovo Teamのジャック・ミラーで、前戦スペインGPに続いての2連勝を果たしました。また、今大会では電動バイクの世界最高峰レースシリーズであるFIM Enel MotoE World Cupの2021年シーズン第2戦も開催。ウェットコンディションでの予選で最速タイムを記録したOne Energy Racingのエリク・グラナドがドライ路面で行われた決勝レースも制して、彼としてはほぼ1年ぶりとなるMotoE優勝を飾りました。
フランスGP優勝
ジャック・ミラー（ドゥカティ・デスモセディッチGP21）
今大会が行われた週末のル・マンは不順な天候が続き、ドライ路面のもとでスタートした決勝レースも4周目に入ったところで雨が降り出して、ほどなく本降りに。各ライダーが乗り換えたマシンが履くレインタイヤから明らかな水煙が上がるほどのコンディションとなりました。しかし、雨はやがて止みました。それでも各ライダーはこの写真のミラーのように急速に乾いていく路面をレインタイヤのまま走り続けなければなりませんでしたが、MICHELIN Power Rainタイヤはドライ化が進む路面でのすべてのライダーの全力走行をタイヤ破損などの問題を起こすことなく支え抜きました。
ル・マンの常設コースであるブガッティ・サーキットは右コーナーの割合が高く、ミシュランはドライ用であるMICHELIN Power Slickのハード仕様のフロントタイヤと3種類すべてのリアタイヤ、そしてウェット用であるMICHELIN Power Rainの2種類のリアタイヤについては右側ショルダー部により硬めのコンパウンドを採用した左右非対称設計としました。
レース序盤で降り出した雨はやがて止みましたが、急速に乾いていった路面においても溝付きのレインタイヤであるMICHELIN Power Rainはしたたかに機能し続けました。とはいえ、タイヤにとってもそれを使う各ライダーにとっても難しい状況であったことは確かでしたが、ミラーはとりわけ良好な走りを見せて中盤以降のレースを支配。見事2連勝を飾りました。
あまり上がることがなかった路面温度のもとでも安定的に発揮された高いグリップ性能や、決勝レースの後半で顕著に示されたMICHELIN Power Rainの高い耐久性など、不順な天候に見舞われ続けた今回のフランスGPはMotoGPとMotoEの両クラスで公式タイヤとなっているミシュランタイヤの秀でた総合性能が様々な形で示された一戦となりました。
