MotoGPの2022年シーズン第8戦イタリアGPが開催され、ドゥカティのワークスチームであるDucati Lenovo Teamのフランチェスコ・バニャイアがこれを制して今季2勝目を飾りました。今大会は、予選日である土曜の途中で降雨があり、Q1はウェット、Q2は所々湿っているもののスリックタイヤを使える路面状況での実施に。さらに、決勝日である日曜は前日までより気温／路面温度が大きく下がり、決勝レースに向けたタイヤ選択の判断が分かれることになりました。しかし、MotoGPの出場全車が使用するミシュランタイヤは、フロントにミディアムかハード、リアにソフトかミディアムのどれを選択しても高いパフォーマンスを安定的に発揮。バニャイアが決勝レース中のラップレコードを更新し、Prima Pramac Racingのホルヘ・マルティンはMotoGPの最高速度記録を塗り替える363.6km/hを叩き出しました。
イタリアのバイクメーカーのマシンに乗るイタリア人ライダーが優勝を飾ったイタリアGP。前後にミディアム仕様のMICHELIN Power Slickを履いたバニャイアは、5周目にムジェロでのMotoGPレースにおけるラップタイムの最速記録を更新する1分46秒588をマーク。スタートでの出遅れを挽回して9周目にはトップに立ち、残るレースをコントロールし切って、第6戦スペインGPでの優勝に続く今季2勝目を挙げました。
今大会が行われたムジェロはMotoGP開催サーキットの中で最もスピードの乗るコースで、1kmをゆうに越えるストレートにおける各車は360km/h前後のトップスピードを軒並みマーク。その先のブレーキングでは大きな負荷がフロントタイヤにかかるほか、路面のタイヤへの攻撃性も高めであるなど、複雑で難しく過酷な要求がタイヤに課されるコースです。
土曜日は、午後のFP4で降雨が。それはほどなく止みましたが、続いて行われたQ1はウェットセッションに。やがて路面は乾いていき、Q2はまだ所々に湿っている箇所があるものの全車スリックタイヤを使用して出走。Gresini RacingのMotoGPルーキー、ファビオ・ディ・ジャンアントニオが果敢なアタックで見事ポールポジションを射止めました。
FP4と予選が雨の影響を受けたことで、ドライコンディションで迎えた決勝レースにおけるタイヤ選択の判断は難しいものになりました。ドゥカティ勢は総じて前後にミディアムの選択でしたが、その中でも#63バニャイアのペースが優れており、ファステストラップを繰り返し塗り替えながら走って9周目にはトップに。そのまま逃げ切って優勝を飾りました。
今大会では、Prima Pramac Racingのホルヘ・マルティンがMotoGPの史上最速記録を更新する363.6km/hという恐るべき最高速を決勝レース中にマークしました。これは、マシンの出力が上がったことばかりでなく、最終コーナーの脱出速度の向上があってこそのもので、ミシュランMotoGP公式タイヤのパフォーマンスの上昇を裏打ちする材料でした。
タイヤ選択が分かれた3つの異なるバイクメーカーのライダーたちが表彰台に上ったことは、その高性能を偏りなく発揮するミシュランのMotoGP公式タイヤのニュートラルな特性を示すものでした。また、決勝レース中のラップレコードが更新され、さらにはMotoGP史上最高速が叩き出されたことで、タイヤ性能そのものの向上も証明されました。
今大会では電動バイクによるFIM MotoEワールドカップの第5戦と第6戦も行われ、Dynavolt Intact GP MotoEのドミニク・エガータとFelo Gresini MotoEのマッテオ・フェラーリ（写真）が両レースの優勝と2位を分け合う結果となりました。なお、MotoEのミシュラン公式タイヤでは、46％以上の原材料にサステナブル材料を用いたリアタイヤを使用しています。
