MOTOGP 2020 ROUND 9
CATALUNYA
■予選:9月26日/決勝:9月27日
■開催地:カタルニア・サーキット(スペイン)
■レース周回数:24周(111.048 km)
予想外の低温下でもミシュランタイヤは確実に機能
クアルタラロがシーズン3勝目を奪う
スペインはバルセロナ近郊のカタルニア・サーキットで行われたMotoGP第9戦カタルニアGPの決勝レースは、ドライコンディションには恵まれたものの、9月下旬の同地の平均より10℃も低い17℃の気温と20℃の路面温度のもとでの開催となりました。この予想外の低温のコンディションのもとでもミシュランのMotoGP公式タイヤ MICHELIN Power Slickは確実にパフォーマンスを発揮して各ライダーの戦いを支え、そしてペトロナス・ヤマハ SRTのファビオ・クアルタラロが今季3勝目をマークしました。
カタルニアGP優勝
ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ YZR-M1)
この時期の平均より10℃以上も路面温度が低いコンディションとなった中、大半のライダーがフロントとリアの双方にソフトコンパウンドを選択。そのひとりであったクアルタラロは、24周のレースの9周目にトップに立ち、巧みなタイヤマネージメントをやり遂げて第3戦アンダルシアGP以来となる今季3勝目をもぎ取りました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により開催時期が大きく変更されたカタルニアGPですが、この9月下旬の通常の気象条件は当初このレースが予定されていた6月上旬のものとほぼ同様と見込まれることから、ミシュランは6月開催時に用意する予定であったものと変わらぬレンジのMotoGP公式タイヤ各種を今大会に持ち込みました。。
カタルニア・サーキットは2年前に再舗装されたばかりながら、路面のタイヤへの攻撃性はかなりの高さです。また、タイヤの右側ショルダー部により大きな負荷がかかるレイアウトであることから、ミシュランはリアタイヤに関してはスリック、レインの全仕様を、右側コンパウンドをよりハードにした左右非対称設計として投入しました。
予選では2戦前のサンマリノGPでキャリア初優勝を飾ったペトロナス・ヤマハ SRTのフランコ・モルビデッリが自身初のポールポジションを獲得。2位にはチームメイトのファビオ・クアルタラロ、3位にはヤマハワークスのバレンティーノ・ロッシが入り、ヤマハ勢がフロントロウ独占。ロッシは昨年のイギリスGP以来となる最前列グリッドにつけました。
レース序盤はNo.21 モルビデッリがレースをリードし、これをNo.46 ロッシとNo.20 クアルタラロ、そしてプラマック・ドゥカティのNo.43 ジャック・ミラーらが追うという構図。クアルタラロは5周目にロッシを、9周目にモルビデッリをかわしてトップに立つと、その座を譲ることなくフィニッシュ。一方、ロッシは16周目にスリップダウンを喫して無念のリタイアとなりました。
レースが後半に入りフィニッシュが近づくにつれて順位を上げ表彰台圏内に入ってきたのがスズキ勢でした。ホアン・ミルとアレックス・リンスのふたりは残り2周となったところで2位走行のモルビデッリを立て続けにパス。最終的に2位でフィニッシュしたミル(写真右)は4戦連続・今季5度目、3位に入ったリンス(写真左)は今季初となる表彰台に上りました。
もとよりタイヤへの攻撃性が高いカタルニア・サーキットですが、今回はミシュランが持ち込んだタイヤが最高のパフォーマンスを発揮するには低温すぎるコンディションに。それでもMICHELIN Power Slickは確実に機能し続けて持ち前の懐の深さを証明しました。また、タイヤを最後まで持たせるライダーとマシンのマネージメント能力が非常にシビアに問われた一戦ともなりました。