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楽しもう! SUPER GT×MICHELIN

はじめてのSUPER GT - 後編 -
毎レース、激しいバトルが繰り広げられているSUPER GT
出場しているマシンやドライバーやタイヤのことを知って
大興奮のGTカーレースを、もっと楽しみましょう!
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はじめてのSUPER GT - 後編 -

知るほど楽しめる、人気レースシリーズの基礎知識

SUPER GTの頂点を争っているGT500ってどんなマシン?
それを走らせているドライバーは? 使われているタイヤは?
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SUPER GTでファンから一番の注目を集めるのは、やはり頂点を争う「GT500クラス」ですね。そして、このGT500クラスに出場しているのは、実は『世界最速のGTレーシングカー』なんです。

市販のスポーツカーをもとに作られたレーシングカーを「GTカー」や「GTマシン」と呼びます。GT500マシンもその一種なのですが、技術的な成り立ちはSUPER GT独自のものです。そして現在は、TOYOTA GR Supra GT500、Honda NSX-GT、Nissan Z GT500の3車種が出場しています。

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レースでは、カーブ(コーナー)を曲がっていくスピードを「コーナリングスピード」と呼びます。GT500マシンを世界のGTカーの中で一番の速さにしているのは、このコーナリングスピードの高さなのです。

GT500のエンジンの馬力(パワー)は最高で約550馬力、最高速度は約300km/hです。このくらいのパワーやスピードって、フェラーリなどの市販スポーツカーの最新の上位車種であれば、出してしまう数値です。でも、サーキットを1周すれば、GT500の方が圧倒的に速い。それは、コーナリングスピードが断然高いからなのです。

とはいえ、直線(ストレート)をGT500が走るところを見れば、『速いな〜』と感動することも間違いありません。やっぱり300km/hって、普通じゃない速さですから! それから、レース専用のエンジンが奏でる迫力のサウンド! レース観戦では、見る人の五感に直接訴えてくるものがたくさんあって、それで一段と興奮や感動を覚えることができるのですね。

というわけで、SUPER GTの観戦のためにサーキットを訪れられたなら、コーナーもストレートも、どっちも味わっていただくのをオススメします!

GT500のマシンって、どんなクルマ?

SUPER GTには、GT500とGT300の2つのクラスがあります。その上位クラスがGT500です。

GT500クラスには、トヨタ、ホンダ、日産という日本の3大自動車メーカーが参加していて、GT500マシンはそれぞれのメーカーを代表するスポーツカーの姿をしています。ただし、中味は完全に別物で、SUPER GT専用に作られたものです。

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ルールによって、GT500の各マシンの基本的な構造は共通したものになっています。車体の中心部分は、カーボンファイバー製の基部の上に鋼管を張り巡らせた作りで、その中に設けられた運転席に乗り込むドライバーを非常に高い安全性で守っています。そして、マシンの姿のもとであるスポーツカーのシルエットをかたどった、カーボンファイバー製のボディが被せられているという構造です。

前後のサスペンションは完全にレーシングカー専用のものですし、前進6速のトランスミッションもそう。その変速操作は、ハンドル(ステアリング)の近くに備えられたパドルスイッチを使って行います。マシンの駆動方式は後輪駆動です。

パワーユニット(動力源)は、排気量2000ccのガソリンターボエンジンという形式に限定されています。ただし、その形式のエンジンをどう作り上げるかは自由で、SUPER GTに取り組んでいる各自動車メーカーが激しくしのぎを削っているところになります。

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世界のGTカーで、GT500ほどコーナリングスピードが高いものは、他にありません。その速さは、マシンのみならず、タイヤの性能も大きく寄与しています。

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SUPER GTはモータースポーツ屈指のトップシリーズですから、出場しているレーシングドライバーは当然のこと一流ぞろい。その上で、SUPER GTはドライバーの顔ぶれが幅広いことが特徴です。20代や30代のドライバーはもちろん、40代のベテランも数多く出場しています。様々なレース経験やパーソナリティの持ち主たちが見せてくれる戦いぶりは、SUPER GTの面白さをさらに増しているのです。

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なお、2022年シーズンのGT500クラスでは、全部で15台のマシンが開催レースのすべてに出場しています。各マシンは、2名のドライバーがコンビを組んで、交替で走らせています。つまり、GT500クラスだけで、合計30名のレーシングドライバーが出場していることになります。

そして、彼らを走らせているレーシングチームの監督の中には、元F1ドライバーや、芸能界でも活躍されている方などもいらっしゃいます。また、サーキットを彩るレースクィーンのみなさんも、SUPER GTはひときわ華やかです。

あ、それから、ミシュランマンもいますので、お忘れなく!

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2022年シーズンGT500クラス ミシュランタイヤ装着車ドライバー

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[ No.23 MOTUL AUTECH Z ]

■出場チーム:NISMO
「ニスモ」と呼びます。日産自動車のすべてのモータースポーツ活動を統括している会社が直々に運営している、日産のエースチームです。SUPER GTを代表するトップチームでもあります。

■ドライバー:松田次生/ロニー・クインタレッリ
三重県出身の松田選手は、2014年と2015年のSUPER GTシリーズGT500チャンピオン。2007年と2008年には、日本のフォーミュラカーレースの最高峰であるフォーミュラ・ニッポン(現在のスーパーフォーミュラ)でもチャンピオンに輝いています。SUPER GTでは、2014年以降は一貫してミシュランタイヤでGT500クラスを戦っています。そして、クインタレッリ選手は、GT500クラスで史上最多となる4度(2011年、2012年、2014年、2015年)のタイトル獲得を、すべてミシュランタイヤとともに果たしているイタリア人ドライバーです。松田選手とクインタレッリ選手は、2014年からSUPER GTでコンビを組んでおり、2014年と2015年には2年連続でGT500クラスチャンピオンの栄冠を勝ち取っています。

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[ No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z ]

■出場チーム:NDDP RACING
日産の若手ドライバー育成計画「ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム(NDDP)」の一環として活動しているレーシングチームです。その運営はNISMOが行っています。

■ドライバー:千代勝正/高星明誠
東京都出身の千代選手は、2016年からミシュランタイヤでGT500クラスに参戦(※2019年を除く)。神奈川県出身の高星選手は、ミシュランタイヤを使ってシリーズを戦うのは2022年シーズンが初めてですが、GT500クラスには2018年からフル出場しているレーシングドライバーです。このコンビは、2022年の第3戦鈴鹿大会では圧倒的な優勝を飾りましたが、千代選手と高星選手のどちらにとっても、それがGT500クラスで初めての勝利でした。すると彼らは、第6戦菅生大会でも優勝。活躍するほどハンディが課されていく独特なルールのあるSUPER GTにおいて、同一シーズン中に2勝を挙げることは明らかな強さの証。今後さらなる活躍が期待されるふたりです。

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SUPER GTでは、路面が乾いているとき(ドライコンディション)は、タイヤの表面(トレッド面)がツルツルのスリックタイヤを、路面が濡れているとき(ウェットコンディション)は、トレッド面に溝が刻まれたレインタイヤを使っています。
ミシュランの場合、SUPER GTタイヤのサイズは、フロント用が幅30cm/外径68cm/リム径18インチ、リア用が幅31cm/外径71cm/リム径18インチです。GT500用、GT300用ともに、タイヤのサイズは同じですし、ドライ用のスリックタイヤとウェット用のレインタイヤにサイズの違いはありません。

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サーキットでの全開走行に向けて、ピットを出ていくNo.23 MOTUL AUTECH Z。その足元を、ミシュランタイヤがしっかりと支えています。

今日、F1をはじめとする世界のモータースポーツのトップシリーズの大半は、タイヤがワンメイク(各シリーズが決めたタイヤメーカー1社による供給)になっています。そうした中でSUPER GTでは、自由なタイヤ競争が認められていて、ミシュランを含む4社ものタイヤメーカーが参加して技術を競い合っています。SUPER GTほどのレベルの高さでタイヤ競争が行われているレースシリーズは、他にありません。この高度なタイヤ競争こそ、SUPER GTをよりエキサイティングなレースにしているものなのです。

ミシュランをはじめとする参加タイヤメーカー各社がSUPER GTに供給しているレーシングタイヤは、装着されるマシンの特性に合わせて専用に開発しているものです。そして、コンパウンドの配合といった技術仕様は、レースごとに細かく変えています。レースが開催されるサーキットが異なれば、タイヤにかかる負荷が違いますし、開催される時期が異なれば、タイヤ性能に大きな影響を及ぼす路面温度が違うからです。

もっとも、「●月なのに、▼月並みの暑さ/寒さ」といったことは、昨今ではよく聞く話。ですから、ターゲットとするレースの路面温度を正確に予測することは、本当に難しいです。とはいえ、ベストは尽くさねばなりません! そこでミシュランでは、過去のデータや経験を総動員して予測を行い、レースが行われるサーキットの特徴やコンディションにマッチした専用のタイヤを作り出しています。そうした地道な努力を重ねることで、ようやく舞台に立てるのが、SUPER GTでのタイヤ競争。そして、この高度な競争の中だからこそ、高度なタイヤ技術が磨かれていくんですね。

なお、ミシュランのすべてのレーシングタイヤは、本社のあるフランスはクレルモン・フェランのモータースポーツ用タイヤ専用工場で製造されています。SUPER GTタイヤも例外でなく、レースごとに製造されると、航空便を使って日本へ送られ、そして開催サーキットまで運ばれます。非常に短い期間で、製造から開催サーキットへの到着までを行えるよう、ミシュランでは強力な体制を整えてSUPER GTに取り組んでいます。

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ミシュランは、専用のトラックや機材、そして専門のスタッフによって、SUPER GTでのタイヤ供給活動を全力で行っています。

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タイヤをホイールに組み込む際の作業内容や、それに必要な細心の注意は、SUPER GT用のレーシングタイヤも、みなさんがお使いになる市販タイヤも、変わりありません!

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先の前編と、今回の後編の2回にわたってお送りした「はじめてのSUPER GT」は、いかがでしたか?
モータースポーツって、ルールがとっても複雑で、説明を始めると、その説明が難しくてよく分からない、ということがありがち。でも、実際にサーキットへ足を運んで、マシンの走りを目の当たりにすれば、説明不要の迫力にノックアウトされること間違いなしです。

ただ、そのときに、断片的であってもいいから、「こういうことなんだな」という知識を持っていると、レース観戦をもっと楽しめるんです。

ミシュランは、みなさんにSUPER GTをもっと面白く見ていただくためのコンテンツをさらに用意していきますので、どうぞお楽しみに!

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