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OLD&NEWなTOKYOの"いま"を走ろう 匠と出逢う ~後編~

with MICHELIN GUIDE
大都市東京は、真新しい顔と、古き良き顔、二つの顔を持っている。
いつの時代も最先端の変化を追い求めるその一方で、頑なに伝統を守り、古き知恵を語り継ぐ東京。
"OLD&NEW"、正反対に思える2つのチカラが東京のエネルギーを生み出すのかもしれない。
新しい時代を拓くチカラの源泉をめぐる、東京DRIVEへGO。
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東京 職人 江戸箒・白木屋傳兵衛/銀座 DS7CROSSBACK DSブランド/鮨職人 匠の技
古きをまなび新しきを知る、温故知新なドライブ、後編へGO!

広くて狭いこの東京、そう焦ることもない。腹ごなしとティータイムの小休止もかね、東京の大人が集う街、赤坂の”いま”をさがして街歩きをしようか。
赤坂の新名所、赤坂インターシティーAIRに緑豊かな大庭園が併設されたという。庭園の総面積は5000平米におよび、最新の商業施設が展開する新しい取り組みに驚かされる。都会の真ん中に、本来なら望むべくもない豊かな自然が再現されるのだから、人々の求めるものが大きく変化している証なのだろう。

赤坂インターシティー 大庭園

赤坂インターシティーAIRの大庭園は、その総面積は5000平米におよぶ。商業ビルを取り囲むように起伏に富んだ緑豊かな遊歩道が張り巡らされ、都会の中で森林浴をしているような心地になる。目にも心にもやさしい都会の杜を贅沢にそぞろ歩いたら、少し足を伸ばして、江戸鎮守の杜として知られる古社、日枝神社にも参詣したくなった。古式ゆかしいムードに、さらに心が静かになる。自然とは縁の無さそうに見える大都市東京だが、こうして新旧の豊かな自然とも触れ合うことができる新しい時代の予兆が感慨深い。

TOKYO OLD&NEW MAP 後編

※「ミシュランガイド」掲載飲食店/宿泊施設(赤字)、外国人観光ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」掲載地(緑字)、サステナビリティ推進飲食店「ミシュラン・グリーンスター」掲載店(緑葉)が全てイラスト上に記載されているわけではありません。

赤坂インターシティー 最新の商業ビル

最新の商業ビルと、それを包み込むような豊かなグリーンのコントラストが新しい東京を象徴するかのよう。

日枝神社 西参道

赤坂の目抜き通りに面した石造りが豪奢な西参道はじつは裏参道。本来の表参道は国会議事堂のある東参道。

日枝神社 境内

江戸幕府開幕以来の江戸城鎮守の杜として400年余り、江戸そして東京を見守り、人々に愛されてきた日枝神社。

日枝神社の参詣道の階段で一汗かいて小腹が減り、そうであればと和菓子の老舗とらやを訪ねた。創業は室町時代後期にまで遡る「超」がつく老舗だが、近年リニューアルした赤坂店の構えは、奥ゆかしい和の歴史とモダンさが同居する多面的な美しさがある。昨今、海外でも評価の高まる和菓子の雄としてパリへの出店を果たしたのも、時代を先んじる40年前の話だからその先進性たるや。新しくも奥ゆかしい新店舗で過ごす一服の茶菓の時間。今回のテーマでもある新旧の融合を体現するような優雅な時間を楽しんだ。特に3階のテラス席は、赤坂界隈の街を見下ろせる隠れた絶景スポット。眼下を走る青山通りの往来と、その向こうに広がる緑豊かな豊川稲荷や赤坂御用地を眺めながら、モダンな和の風情を感じよう。

老舗和菓子 とらや お汁粉

小豆の風味豊かな虎屋菓寮定番のお汁粉。和三盆糖のほのかな甘みが優しい。※季節によりメニューの変更有

リニューアル 内藤廣氏の設計

2018年10月にリニューアルオープンした赤坂店は内藤廣氏による設計。瀟洒な造形に吉野檜が香る。

新たな価値観 虎屋菓寮 赤坂店

9階建のビルだった旧店舗から、時代を先取る先進的低層建築に。ギャラリー、売り場、喫茶「虎屋菓寮」ともに都内と思えないゆったりとした作りで、とらやの世界観を堪能できる。

再びクルマに乗り込み、虎ノ門方面へ走らせる。この地のニューシンボルとなった虎ノ門ヒルズを背にして東京湾岸方面に伸びるのは、開通したてのこれまた古くて新しい道、俗称”マッカーサー道路”だ。かのマッカーサー元帥によって計画されていたが、今日まで計画が引き継がれ、ようやく完成したといういわくを持つ。近年に完成しただけに、車道には路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装が施され、虎ノ門付近の歩道はレンガ舗装と自然石舗装で都民の憩いの場となりそうだ。古くからの首都東京の心臓部、虎ノ門・霞ヶ関エリアから真っ直ぐ東京湾に伸びるこの道は、急速に開発の進む汐留・竹芝周辺のベイエリアを抜け、勝どき・晴海の運河を跨いで、瞬く間に豊洲・有明方面に滑り込んで行く。
実際にクルマを走らせると道は広く整然としていて、車窓から眺める運河沿いの景色は、どこか近未来的ですらある。ナイトドライブなら夜景が格別だ。タイムスリップしたような浮遊感に心地よくクルマを走らせ豊洲方面へ。

ドライブ DS7CROSSBACK DSブランド

タワーマンションや来たる五輪関連施設がひしめき、新しい東京をシンボルとして成長を続けるベイエリア。

古き良き築地市場から移転した豊洲市場に立ち寄り、場外の新名所・江戸前場下町でお土産などを求めたら、ここはやはりお台場からレインボーブリッジの東京定番ドライブルートを押さえたくなり、お台場から首都高に乗り込む。今回、装着したMICHELIN PILOT SPORT 4 SUVは(ミシュランパイロットスポーツフォーエスユーブイ)持って生まれたスポーツ性能の高さのみならず、しなやかかつコンフォートな乗り心地で新たな顔を覗かせる。車重のあるDS7CROSSBACKでスピードの乗るコーナーを走り抜けるときにもふらつくことなのない剛性感。それでいて、路面からの情報を細やかに乗り手に伝えるため安心してスポーツドライビングを楽しめる。ラグジュアリーSUVでこうしたドライブフィールを満喫できるのは、ちょっとした驚きだ。

江戸前城下町の店舗外装/レインボーブリッジ DS7CROSSBACK DSブランド/銀座 DS7CROSSBACK DSブランド

華やかなバブル末期の1993年に開通したレインボーブリッジは、激動の東京を見下ろしてきた。巨大で優美なこの橋は、クルマで走ってこそ魅力を増すというもの。そして、眼下に広がる東京の風景はいつだって新しく見えるから不思議だ。近年はベイエリアに林立するタワーマンションが目立つようになってきた。一般道で渡るのもいいが、ここはぜひ、さらに見晴らしのいい首都高速を使いたい。

銀座 歌舞伎座

短くも充実の首都高速ドライブルートを堪能したら、高速を降りて銀座方面へ。クルマは歌舞伎座、三越、和光といった銀座のシンボルたちを横目に、寄り道しながら日本橋方面に向かう。この銀座日本橋エリアには、東京の歴史ある老舗店舗があまたあり、創業100年、200年は新しくさえあるかもしれない。箒やお香、刃物など商品は違えど、江戸の時代から人々の生活必需品を供給してきたことと、職人の手によって生み出されるというスタイルは変わらない。時代に合わせたモダンな店構えとなっているが、時を越え匠の技を守り続けている。

◆江戸箒・白木屋傳兵衛
伝統 江戸箒 職人

運が良ければ、店内にしつらえられた工房で、熟練の江戸箒職人さんの手仕事に遭遇できるかもしれない。

江戸箒 温故知新

古くて新しいスタイルを秘めた江戸箒

老舗 伝統 白木屋

都内で唯一となる箒の製造卸問屋が白木屋傳兵衛。江戸の後期から数えて創業200年の歴史を持つ。創業以来の”江戸箒”の様式を忠実に守り続けている。タイミングが合えば店舗内で熟練の職人さんの箒作りを見学することが可能だ。
東京都中央区京橋3-9-8白伝ビル1F
TEL:0120-375-389

軽く、コシがあって使いやすく、シンプルな装飾で当時の”粋”を表現した江戸箒の白木屋傳兵衛を覗く。運良く、店内では職人さんが作業しているところを見学できた。柄と穂先に重心を分散させ、いかに軽く感じさせるかが職人の技なのだとか。コシの強さを決める素材のホウキモロコシの選別も熟練の職人が手作業で20段階に選り分けているという。天然素材のみで作られ、最終的にすべて土に還るエコな道具であり、使い古して先端が型くずれしても、切りそろえて何度も使える点などが評価され、エネルギーに頼らない持続可能な暮らしを象徴する掃除具として国内外で再注目されている。

◆香老舗・松栄堂
伝統 和の香りの小物

小物や、和の香りの豊富なバリエーションが目に鼻に楽しい。

伝統の店 香老舗・松栄堂

創業300年余、12代目を数える今日までお香づくり一筋に歩んできた松栄堂。厳選された天然香料のみを使用し、最後の封の段階まで手作りの伝統の技によって仕上げられる。週に一度、目の前で匂い袋を作るイベントも開催。
東京都中央区銀座7-3-8
TEL:03-3572-6484

◆刃物・日本橋木屋
温故知新 伝統と挑戦 刃物店

老舗刃物店ながらギャラリースペースizutukiを併設、伝統に新しい風を吹き込む企画展示も見ものだ。

職人技 刃物の名品

洋の東西を問わない刃物の名品を取り揃える。

伝統の店 日本橋木屋 コレド室町

寛政4年(1792年)の創業以来、刃物を扱い続けてきた日本橋木屋。和包丁や鋏などの刃物を中心に、名工たちの手による逸品が並ぶ。包丁を長く使い続けるための「即日仕上げ研ぎ」サービスも行っている。
東京都中央区日本橋室町2-2-1コレド室町1F
TEL:03-3241-0110

300年の歴史を持つお香専門店松榮堂、江戸刃物の名店木屋とつれづれに東京の老舗をめぐり、温故知新を深めたドライブのゴール地点は、東京のみならず日本が誇るレガシーホテルである帝国ホテル。クルマを降り、夕陽に染まるカフェで一杯のコーヒーを嗜みながら、変わる東京、変わらない東京に思いを馳せる。そのどちらもがこの街の魅力を形作り、この街を更新を続けるレガシーなのかもしれない。

さて、この良き日を締めくくるのにふさわしいディナーを求めて、銀座の街へ出ることにしよう。

銀座 帝国ホテル DS7CROSSBACK DSブランド

いつの時代も東京の特別なデスティネーション、帝国ホテル。

銀座 夜の煌めき 華やかな夜

銀座のきらめきに夕闇が迫り、東京の華やかな夜をいろどりはじめる。

ミシュランガイド・セレクション

鮨 よしたけ(銀座・寿司/「ミシュランガイド東京2021」三つ星で掲載)

鮨職人 職人の技 鮨よしたけ

銀座の中心地、とあるビルのエレベーターに乗り、9階で降りるとそこには「鮨よしたけ」の暖簾が下がる。ミシュランガイドで三つ星評価を得た名店だ。現在は縮小営業となっており予約は激戦だが、運良くこの日は予約が取れた。白木のカウンターに腰を据えると、大将の吉武さんの気さくな笑顔にココロがほころぶ。決して広くはないが、細部に行き届いた白木造りの店構えに腰が落ち着く。ここはお店にすべてを委ねるのが得策と、おまかせのコースにする。肝のソースが絶品の蒸し鮑に、まず絶品の舌鼓をうってから、鮨へ。職人の”仕事”が冴える小肌からゆっくり一貫ずつ鮨を味わう。こちらのペースに合わせて一品ずつ絶妙なタイミングで供される鮨を、五感で堪能する。

鮨 こだわり

大将の"仕事"の効いた小肌に、思わず膝を打つ。

鮨 王道の大トロ

程よいサシと歯ごたえに、主役となるのはやはり大トロ。

鮨 こだわりの素材

素材の良さと仕事の確かさが見事な、この日の一皿。鮑と肝のソース。

美食 笑顔

鮨とお酒はもちろん、大将の人柄も、寿司屋通いの醍醐味に違いない。

銀座 落ち着いた空間

簡素だが細部に気配りが行き届き、落ち着きのある店内。

厳選されたネタと、アルデンテとも表現できそうな食感が特徴的なシャリは、注文に合わせて丁寧に釜で炊いたもの。特別にブレンドした赤酢で仕立てられて、口の中で適度にほどける。カウンター向こう、板場の手際の良さから差し出されるカタチの良い鮨、そこに絶妙なマリアージュを生むおすすめのお酒も入り、大将との会話も弾む。今日巡ったドライブコース、そして長らく変化と進化を続けてきた”OLD&NEWなTOKYO”に思いを馳せ味わう至福の時間だった。

OLD&NEWなTOKYOの"いま"を走ろう 前編はこちら

銀座 鮨よしたけ

鮨 よしたけ
「ミシュランガイド東京2021」に掲載 
住所:東京都中央区銀座7-8-13 BrownPlace 9F
TEL:03-6253-7331
営業時間:18:00~、20:30~の2部制営業
※営業時間が変更されている場合がございます。
詳しくはお店へお問い合わせください。

もっと!ミシュランガイド・セレクション
◆赤坂 おぎ乃(赤坂・日本料理)

三つ星店で研鑽を積んだ気鋭の実力派・荻野聡士氏がオープンさせた、気鋭の日本料理店。京都の農園より仕入れる選りすぐりの野菜、信頼ある仲卸との連携で届けられる新鮮な魚介など。最良の素材を使った季節感ある料理を味わえる。

厳選素材 赤坂おぎ乃 日本料理

赤坂 おぎ乃
東京都港区赤坂 6-3-13
TEL:03-6277-8274
営業時間:17:30~、20:30~の二部制で営業
※営業時間が変更されている場合がございます。
詳しくはお店へお問い合わせください。

◆慈華(青山・中華料理)

経験あるオーナー料理長田村亮介氏が2019年に開店。歴史深い中国の文化と料理に敬意を払いながら、日本人の細やかな感性と豊かなテロワールをも大切にし、新時代の中華料理生み出す。随所に型にとらわれない和中折衷の妙が冴える。

新時代中華 中華料理 青山 いつか 慈華

慈華(いつか)
東京都港区南青山2-14-15五十嵐ビル2階
TEL:03-3796-7835
営業時間:ランチ 11:30~15:00、ディナー 17:30~23:00
※営業時間が変更されている場合がございます。
詳しくはお店へお問い合わせください。

◆FARO(銀座・イタリアン)

資生堂が経営・資生堂パーラーが運営するイノベーティブイタリアン。現代イタリア料理と日本の豊かな食文化を重ね合わせた新たな食体験を提案するのは、イタリアで2つのリストランテにミシュランの星をもたらしたエグゼクティブシェフ能田耕太郎と気鋭のシェフパティシエ加藤峰子。ヴィーガンコースも秀逸。

和食とイタリアンの融合 資生堂 FARO

FARO(ファロ)
東京都中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビル10 階
TEL:0120-862-150
営業時間:ランチ 12:00~13:30、ディナー 18:00~20:30
※営業時間が変更されている場合がございます。
詳しくはお店へお問い合わせください。

今回のクルマ

DS AUTOMOBILES
DS AUTOMOBILES
DS 7 CROSSBACK

ファッションの都、パリのラグジュアリーを体現するSUV、DS 7 CROSSBACKの実力は、そのデザイン性だけにとどまらない。心臓部には、先進のクリーンディーゼル2.0ℓ BlueHDiと、進化を遂げたエコかつパワフルな1.6ℓ PureTechガソリンエンジンの選択肢を持ち、厳しい欧州の環境基準を軽々とクリア。ドライビングパフォーマンスにおいては、最新鋭8速トランスミッション、EAT8 、そして独自のリアマルチリンク方式を採用する足回りのコンビネーションで、高度の快適性、路面追従性、走行安定性を実現。精悍さと優美さ、アクティブでコンフォート、そしてなにより、パリの官能的エスプリを感じることができる稀有なラグジュアリーSUVに仕上がっている。

詳細
https://www.dsautomobiles.jp/ 

フォトギャラリー

編集協力 デジタルメディアds編集部

2021年1月29日掲載
※記載の内容は掲載時点の情報です。(ミシュランガイド公式リストbyクラブミシュランは、現在、終了しております。)
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