オートバイの安全性:どうすれば向上するのでしょうか?

オートバイの安全性:どうすれば向上するのでしょうか?

モーターサイクル用タイヤに関するアドバイス

若者の主な死亡原因である交通事故は、毎年約120万人の方が死亡し、約5,000万人の方が負傷しています。政府、国際機関、企業はすべての人にとって道路をより安全なものにするための努力を強め、教育訓練システムを実施しなければなりません。

欧州交通安全憲章のメンバーであるミシュランは、道路利用者の意識向上と教育キャンペーンを実施することで、これらの目標に貢献しています。

オートバイの安全性を高めるにはどうすればいいのでしょうか?ミシュランの専門家がこの記事で詳しく解説します。

1 - オートバイの安全性を高めるための必要な準備

オートバイの安全は適切に運転できる車両から始まる。

道路を走行する前に、オートバイそのものがあなたの安全を脅かす危険性がないことを再認識するために、確認すべき重要なポイントがあります。

ブレーキ

ブレーキパッドとブレーキディスクが正常に作動しているか(ゆがみ、異常摩耗、不規則な損傷がないか)、ブレーキドラムも同時に確認してください。また、ブレーキフルードのレベル(右ハンドル付近)とその色も合わせて確認してください。

モーターオイル

エンジンが停止してから約2分後、熱くなった状態のエンジンで、オートバイを垂直に保ちながらサンプ内のオイルレベルを確認してください。また、オイルが滲んでいないか、あるいは漏れていないかも合わせて確認してください。

長距離走行(目安として1,000 km程度)の場合は、走行の4分の3を終えた時点でオイルレベルを点検してください(その際、停止してから15分程度経過した後、サンプの底にオイルが戻ってから確認してください)。

ライト

路上での視認性を確保することは、オートバイの安全性を確保する意味で不可欠です。

チェーンまたはベルト

オートバイの安全性を損なう危険性がありますので、特に摩耗と破損がないかどうかを注意深く確認してください。張りが強すぎると切れてしまうリスクが伴い、チェーンが緩すぎるとスプロケットの結合箇所から外れてしまう危険性があります。

長距離走行(目安として1,000 km程度)の場合は、走行の4分の3のところで休憩をとり、(注油して)チェーンの張りを確認してください。

タイヤ

タイヤは、車体と路面との唯一の接点です。路面に接地する面積はとても小さいですが、タイヤはオートバイの安全性を確保するうえで重要な役割を果たします。方向転換とその維持、負荷を支える、駆動・制動を路面に伝える、衝撃を緩和するなど......。

タイヤの性能を最大限に引き出すには、メーカーが推奨する空気圧に調整してください。

お困りの場合は、お近くのタイヤ販売店・オートバイショップに相談してください。

タイヤはバイクの安全性を確保するうえで重要な役割を果たします。

2 - 安全装備

ご存知のように、オートバイの運転は自動車の運転とはまったく異なります。転倒した場合、衝撃を和らげる車体がありません。安全性を確保するためには、最大限のプロテクション機能を備えたライディングギアを装着する必要があります。

安全のために優れたライディングギアを装着する

フィットする(動き回らない)ヘルメット、足首を保護するブーツまたはライディングシューズ、プロテクション機能を備えたジャケット、パンツを必ず着用してください。ジャケットの下にエアバッグを装着すれば、重要な臓器をしっかりと保護することができます。また、他ドライバーからの視認性を高めるために、反射帯を着用することもお勧めします。

この件に関する詳細は、オートバイのライディングギアに関する記事をご覧ください。

3 - 二輪車の交通安全向上のためのアドバイス

オートバイで走行する際、ご自身の安全確保、他ドライバーの安全確保するために大きな役割を果たすのはあなた自身の行動です。そのためには状況に合わせた正しい知識を習得しなければなりません。例えば、グループ走行、タンデム走行、たくさんの荷物を積載したり、山道を走る場合などです。

グループでの安全な走行

安全にツーリングを楽しむために、グループ走行では全員が守るべきルールがあります。車間距離を適切に取り、隊列をずらして走行することで、ライダー全員の視界を確保して、起こりうる危険を予測できるようにします。

このテーマについて詳しくは、記事""グループ走行""をご覧ください。

グループ走行時オートバイの安全性を確保する

タンデム走行時オートバイの安全性を確保する

パッセンジャーを同乗して走行することはドライバーの責任です。特にパッセンジャーがバイクの後ろに乗ることに慣れていない場合は、十分な準備が必要です。パッセンジャーにバイクの安全な乗り降りの仕方を説明し、道路に出たらどのように行動すべきかを伝えなければなりません。特に、コーナリング時に抵抗なくあなたの動きに追従するにはどうすればいいか。

このテーマについて詳しくは、こちらの記事""モーターサイクルパッセンジャー(同乗者)の乗車方法""をご覧ください。

荷物を積んだオートバイの安全性

積載時のオートバイの安全性

荷物を積載したオートバイは、多くの予測を必要とします。ブレーキングは重量の影響を直接受けるので、制動距離が長くなる分、余裕を持ったライディングを心がけなくてはなりません。

重心の変化と重量の増加によって悪化する可能性があるハンドリングにも注意が必要です。サスペンションの反動がステアリングに影響し、フィッシュテール(お尻が振られる)を起こしたり、正確さを欠いたりすることがあります。

同様に、風が強くなるとハンドルが取られることがあります。また、大型車とすれ違う際は、乱気流に巻き込まれないよう注意してください。

サスペンションが沈むと、最低地上高も低くなることも理解しておく必要があります。特にコーナリング時は、キックスタンドが通常よりも早く路面に接触する傾向がありますので、十分注意してください。

最後に、重量の増加によって車体が重たくなると、加速が鈍り追い越しが難しくなる場合があります。いつもと違う状態であることを常に頭に入れておいてください。

山道でのオートバイの安全性

山道でのライディングは、広々としたスペースを求めるライダーにとってはとても快適なものですが、山道にはいくつもの危険があることを常に心に留めておく必要があります。

山道でのオートバイの安全性

特に標高が高い山道では、気候の変化は予測しづらいものです。出発時は晴れて暖かかったにも関わらず、標高の高い山道でも同じ気候とは限りません。雨具や防寒着を備えることも忘れないでください。

天候が急変すると、視界が急速に悪化し、オートバイの安全性が損なわれることがあります。グリップ力の変化には、細心の注意が必要です。出かける前は、天気予報の確認もお忘れなく。

また山道では、傷んだ路面を修復するために道路に砂利が敷き詰められたり、工事関係者が作業を行っていることがあります。

人里離れた道路であっても、トラック、バス、トラクター、時には動物に遭遇する場合があります。ブラインドコーナーでは、このような危険性を十分考慮し、可能な限り広い角度で視界を確保しながら安全に走行しなければなりません。

山間部のカーブ、時にはヘアピンでは、視界が悪くなったり、見えづらくなることもありますので、安全性を確保するために慎重に走行してください。

オートバイのコーナーリング方法については、「オートバイでのコーナリング方法」の記事をご覧ください。


BMC Motoの技術協力により執筆された記事

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