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タイヤサイズは互換性がある? 変更する際の注意点

タイヤサイズの変更をお考えですか?タイヤのサイズは変更可能かつ互換性はありますが、そこにはいくつかの注意しないといけない点があります。この記事では、タイヤのサイズ変更や互換性についてを紹介します。

タイヤサイズには互換性がある?変更は可能?

タイヤのサイズは車種によって制限はあるものの、ある程度は互換性があり、変更が可能です。性能面の改善だけでなく、見た目のドレスアップを目的として、サイズを変更する方も多くいらっしゃいます。
以下では、タイヤのインチアップと幅の変更について、メリットとデメリットを紹介します。


タイヤのインチアップをするメリットとデメリット

タイヤのインチアップとは、タイヤの外径を変更せずに、ホイール径を大きくするサイズの変更方法です。

タイヤをインチアップすると、ホイール径が大きくなり、車を横から見た時ゴム部分の面積が減り、ホイールのデザインが強調されるので、ドレスアップ効果が得られます。また、インチアップによって偏平率が下がることで、ハンドリングやグリップ力が一般的には高まる点もメリットです。

※偏平率:サイドウォールの高さとタイヤ幅の比をパーセンテージで示した数値。

一方でデメリットとしては、主に乗り心地や静粛性が悪くなることが挙げられます。

タイヤのサイズはどのように変更が可能?

車両には標準装着されるタイヤサイズと車両メーカーがくつか設定されたオプション装着サイズがあります。

例: PEUGEOT 308 - 1.2 pure tech(2021年):

195/65 R15 91H
205/55 R16 91V
205/50 R17 93V
225/45 R17 91V
225/40 R18 92V

この車両の例では標準装着の15インチ以外に16,17,18インチの3つの承認されたオプションサイズを装着可能です。

リム径を変更する際は、もちろんホイールの交換が必要です。

承認タイヤサイズ

自動車メーカーから提供されるさまざまなタイヤサイズは全て、その車両のために承認されたものです。
承認されたタイヤサイズは、運転席のドアに貼られたステッカーや取扱説明書に記載されています。また燃料給油口フラップに記載されている場合もあります。

承認サイズと異なるサイズを装着することは可能?

メーカーが承認したタイヤサイズの中で変更することをおすすめしますが、タイヤの直径が-2%から+1.5%の範囲内で、タイヤのロードインデックスが純正装着タイヤ以上、尚且つタイヤの幅が車両のフェンダーからはみ出さない範囲であればタイヤサイズの変更は可能です。
※ロードインデックス:タイヤ1本が支えられる最大負荷能力(kg)

ご自身や同乗者、道路上の他のドライバーの安全性を守るためにも、承認されたサイズを守ることをおすすめします。タイヤ幅や偏平率の大きく変えると、車の幅から危険なほどはみ出るタイヤを装着するおそれがあります。また、変更したタイヤサイズが純正サイズよりロードインデックスが不足する可能性もあるので、注意が必要です。
メーカーが承認したタイヤサイズ、もしくは上記の範囲からはずれたサイズを装着すると以下のようなリスクが発生します。

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承認サイズや上記の範囲を遵守しなかった場合、何が起きますか?

承認サイズや上記の範囲を遵守しなかった場合には以下のようなリスクがあります。

  • 安全上のリスク

  • 警察の検査を受けた場合の罰金

  • 車検に通らない

  • 事故の際に保険が適用されない
     

一方、承認された寸法を順守していれば、こうしたリスクを回避できます。

タイヤサイズを変更するときの注意点

タイヤのサイズは、なるべくメーカーが承認したタイヤサイズ内で決めることが大切です。こちらでは、変更する際の注意点について細かく解説します。

タイヤのサイズをきちんと確認する


タイヤのサイズは以下の、タイヤのサイドウォールの表示で確認できます。

  • (例: 205):ミリメートル表記

  • 偏平率(例: 55):パーセント表記 タイヤの断面高さとタイヤ断面幅の比率を示しています

  • タイプ(例: R=ラジアル構造)

  • リム径(例: 17):インチ表記

  • ロードインデックス(例: 91):タイヤ1本が支えられる最大負荷能力を表す指数。

  • タイヤのスピードレンジ(例: V):そのタイヤで走行可能な最高速度を示す記号。

タイヤが車体からハミ出していたり、接触がないかを確認する


タイヤ交換後は、車枠やフェンダーからタイヤがはみ出していないか必ず確認してください。車体より外側にタイヤが10mm以上出ている状態は、法律で認められていません。

「タイヤの次に掲げる部分以外の部分の直上の車体(フェンダ等)より車両の外側方向に突出していない車枠及び車体
(1) サイドウォール部の文字又は記号がサイドウォール部から突出している部分
(2) サイドウォール部の保護帯及びリブ並びにこれらと構造上一体となってサイドウォール部から突出している部分(突出量が10mm未満である場合に限る。)」

引用:
国土交通省

また、タイヤが車体に接触する状態も危険なため、幅広タイヤを装着する場合は、車体とタイヤの間に十分な隙間が確保できているかを確かめましょう



ホイールも同時に交換する

タイヤサイズを大幅に変更する場合は、同時にホイールも交換する必要があります。タイヤには適合するホイールのリム幅が定められており、逸脱するとタイヤの形状が変化して本来の性能が出せなかったり、バーストのリスクが高まったりするため、注意が必要です。タイヤ幅を変更する際には、ホイールが適合するかどうかは必ずチェックしましょう。



ロードインデックスを低いタイヤへ変えないようにする


タイヤ交換時は、ロードインデックスを純正タイヤと同等以上のものにする必要があります。ロードインデックスは、タイヤ1本あたりで支えられる重量(kg)を示し、不足するとタイヤ損傷や事故につながる恐れがあります。

ロードインデックスの数値は、タイヤの側面に刻まれています。例えば「205/55 R17 91 V」と書かれている場合、91がロードインデックスの数値です。91の場合は、最大負荷能力が615kgと定められています。

すべてのタイヤにおいて、自動車メーカーが指定するタイヤのロードインデックスより高いタイヤを選ぶことは可能ですが、低いものは使用できません。

詳しくは「タイヤのロードインデックスとスピードレンジとは」という記事で解説しているため、そちらをご確認ください。


冬季に使用するタイヤ(冬タイヤまたはオールシーズンタイヤ)には、スタッドレス、もしくは3PMSF(スリーピーク・マウンテン・スノーフレーク)のマークがタイヤのサイドウォールに表示されています。 これらのタイヤは標準装着のサマータイヤよりもスピードレンジの低い可能性がありますが問題なく装着可能です。

タイヤは4本同時に変更をする

同じ車軸の2本のタイヤだけではなく、4本全てのタイヤを同時に交換することを推奨します。摩耗によるグリップ力に違いがでることで、走行が不安定になり、大きな事故につながる恐れがあるからです。

特に4WD(四輪駆動車)は、駆動系にタイヤの回転差を吸収する装置(デフ)があります。タイヤの摩耗によって径が変わると、回転差にも変化が起き、デフが過剰に働き続けてしまうのです。タイヤだけでなく、車本体の機構にトラブルが起きる可能性もあるため、タイヤは同時に4本交換するようにしましょう。

タイヤサイズには一定の互換性がありますが、安全性や走行性能への影響を考えると、変更には細心の注意が必要です。さらに、サイズ変更を検討する際は、必ずメーカーが承認した範囲内かどうかを確認し、適切なサイズ・仕様のタイヤを選ぶことが推奨されます。

ご自身での判断が難しい場合は、信頼できる整備工場や販売店に相談し、車両に適したタイヤを選ぶようにしましょう。