
乗用車・SUV・商用車用タイヤのアドバイス
転がり抵抗(RR)は、走行に必要なエネルギーに大きな影響を与えます。このため、エンジン車であれば 燃費(約20%)、電気自動車であれば 電費 に直接関わってきます。転がり抵抗はタイヤの設計によって減らすことができます。
転がり抵抗とは?
まず、タイヤの転がり抵抗とは何かを理解しておきましょう。その名のとおり、転がり抵抗とはタイヤが路面を転がるときに生じる抵抗のことです。この抵抗は、走行時のタイヤの変形によるエネルギーロス、トレッドゴムの路面との接地摩擦によるエネルギーロス、タイヤの回転に伴う空気抵抗によるエネルギーロスがあります。
転がり抵抗係数が低くければ低いほど、それに対抗するエネルギーが少なくなります。このため、タイヤの転がり抵抗が燃費(とタイヤの寿命に与える影響)は無視できません。一般的に転がり抵抗による燃費の寄与率は市街地走行で10%程度です。転がり抵抗を20%減らすと、燃費は2%向上します。
転がり抵抗 を左右する要素として、タイヤの空気圧、トレッド、直径、幅、タイヤの材料、構造などが挙げられます。タイヤの空気圧の例を見てみましょう。フランスの道路で行われた調査(1)によれば、50%以上の車が、適正空気圧を30kPa以上下回る状態で走行していました。その結果、転がり抵抗係数にも大きな増加が見られ、30kPaの空気圧不足では6%、100kPaの空気圧不足では30%高くなりました。

タイヤはグリップ力も重要
それでも、タイヤにとって抵抗力は必要なものです。路面とタイヤの摩擦で生じる転がり抵抗の一部がトラクションとなります。グリップは安全性にとって欠かせません。トラクションは、タイヤが1カ所で回転するのではなく、路面を転がるような動きを生み出すために必要な力です。
つまり、転がり抵抗は必要ですが、それによって生じる熱のエネルギー損失は不要なのです。低い転がり抵抗と優れたグリップ力を両立するタイヤは可能でしょうか?
低転がり抵抗タイヤの登場
低転がり抵抗タイヤ(LRRとも呼ばれる)は、エネルギー損失を減らす、つまり、燃料節約を考慮して設計されています。タイヤのあらゆる面に革新的な技術を取り入れることで、これを実現しています。
- タイヤの構造、形状、トレッドパターン: 内部のプライの形状と性質、トレッドのデザインといったタイヤの構造は、タイヤの変形の程度に大きく関わり、転がり抵抗にも大きな影響を与えます。
- タイヤの重量: 同程度の変形であれば、物体が重ければ重いほど、発熱量も大きくなります。
- ゴム混合物とさまざまなコンポーネントの最適化: これにより、タイヤが吸収するエネルギーを抑えることに成功しました。
MICHELIN e.PRIMACY: 低転がり抵抗を実現した乗用車用タイヤ
MICHELINのタイヤのなかで効率的な低転がり抵抗を実現したMICHELIN e.PRIMACYは、優れた転がり抵抗と高いブレーキ性能 を兼ね備えています。低転がり抵抗は、燃料消費量の低減、CO2排出量の削減、航続距離の延長という3つのメリットがあります。
さらに、MICHELIN e.PRIMACYは ウェットブレーキング性能 を長期間にわたって発揮します。

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