[1] 出典: Deloitte study – TIP 2019 – 45 countries
[2] “Global ELT Management – A global state of knowledge on regulation, management systems, impacts of recovery and technologies”, WBCSD & Tyre Industry Project
乗用車・SUV・商用車用タイヤのアドバイス
交換された古いタイヤがどうなるのか、疑問に思われたことはありますか?この記事では、タイヤのリサイクルについてご紹介します。ミシュランは、自社製品の環境負荷の低減に取り組みながら、タイヤのリサイクルを推進しています。
タイヤはリサイクル可能?
毎日の通勤や週末の長距離旅行に関わらず、一定の距離を走った車のタイヤには最終的に摩耗のサインが現れます。このサインが現れたら残り溝が1.6mmであることを意味しています。これは法律で定められた使用限度で、道路上での安全性を最大限確保するためにも、タイヤを交換しましょう。
損傷やパンクによって、それよりも早くタイヤを交換しなければならない場合もあります。車のタイヤの処分によって、毎年、世界で約3000万トンのタイヤ [1] が交換されており、破棄されることになります。
けれど、タイヤのリサイクルが可能なら?タイヤ業界は、使用済み製品の管理が最も進んでいる分野の一つです。使用済みタイヤの約88% [2] が回収され、その大半が再生されています。リサイクルによって再利用されるプラスチック包装類がわずか14% [2] であることを考えると、これは驚くべき数字でしょう。
タイヤのリサイクルの前段階でも、ミシュランは製品ライフサイクルのあらゆる段階で環境負荷を軽減するための取り組みを行っています。
車のタイヤは何でできている?
タイヤは一見、単純なつくりに見えるかもしれませんが、実際には200種以上の素材でできています。これには天然ゴム、合成ゴム、カーボンブラック、シリカ、強化フィラー、スチールや繊維製の補強材、化学薬品が含まれます。
タイヤの構造とは?
車のタイヤの多くは複数の層でできているため、タイヤのリサイクルにも複雑さが加わります。このため、ミシュランをはじめとするタイヤメーカーは、さまざまな素材の再利用を容易にする革新的な手法や技術の開発に取り組んでいます。車のタイヤの層は通常、合成ゴム、繊維コード、金属コードなどを組み合わせて製造されています。
タイヤリサイクルの仕組みは?
ゴム製タイヤのリサイクルプロセスは、摩耗した古いタイヤが販売店に持ち込まれた時からスタートします。
タイヤのリサイクル工場や廃棄物リサイクルセンターなどにご自身でタイヤをお持ちいただくことも可能です。ただし、持ち込みの数に制限がある場合や料金がかかる場合があります。
ミシュランは世界中の多くの国で現地のタイヤ回収システムと連携し、タイヤリサイクル業界の発展に積極的に貢献しています。
ミシュラングループはタイヤリサイクルへの投資も行っています。摩耗したタイヤや廃棄物を原材料へと再生するため、パートナー企業と協力して革新的で画期的なテクノロジーを開発しています。
- エンバイロ社: カーボンブラック、油、ガスといった素材へと再生する熱分解技術を開発。
- リーハイ・テクノロジー社: 使用済みのゴム製品を微粒子ゴム粉末へと変える再生技術を開発。
- ミシュランは各種の研究プログラムを支援しています。その一つである「BlackCycle」は、使用済みタイヤの原材料を、再利用可能な素材へと変えるフルバリューチェーンの構築を目指しています(企業パートナー7社、5つの研究開発機関、5カ国にわたるイノベーションクラスターが参加)。
End-of-life recycling solution
お近くの廃タイヤ処理拠点
廃タイヤの処理については、お近くのタイヤ販売店までお問い合わせください。タイヤ販売店では、廃タイヤを法律にのっとり適切に管理・保管し、マニフェストを用いてタイヤが適切処理される一端をになっています。
新しいタイヤをお探しですか?下記の販売店検索にて最寄りのミシュランタイヤ販売店を検索ください。
タイヤのリサイクルが重要な理由とは?
車のタイヤ処分時のリサイクルは、製造から製品寿命の終了後まで続くタイヤのライフサイクルによる環境フットプリントを削減する数多くの方法の一つにすぎません。
ミシュランでは、原材料の調達と製造から、使用とリサイクルにいたるまで、ライフサイクルの全てのステージで環境負荷を抑えるため、エコデザインの原則を採用しています。
ミシュランはオール・サステナブルなアプローチの一環として、関連企業やパートナーと連携しながらタイヤのリサイクルを推進すると同時に、製品による環境負荷の低減に務めています。ミシュランは2050年までに、100%持続可能な素材によるタイヤ製造を実現することを目標に掲げています。また、2030年までにエネルギー効率を2020年比で10%向上させることを目指しています。
さらに、輸送のロジスティクスの最適化にも取り組んでいる他、MICHELIN e.PRIMACYのようにガソリン代とエネルギー消費を節約するタイヤも開発しています。また、他のメーカーと連携し、廃棄物から原材料への再生をサポートする最先端のリサイクルプロセスの構築にも注力しています。
ミシュランは4R戦略(リデュース、リユース、リサイクル、リニュー)に基づき、循環型経済の発展を目指しています。
社会に呼びかけ、使用済みタイヤに関連する環境負荷の低減を促進することで、ミシュランは世界各国にタイヤリサイクルセクターを構築することを目指しています。例として、ブルドーザーなどの大型土工機械用タイヤを対象とした、ミシュラン初のタイヤリサイクル工場をチリに建設中です。このプラントでは古いタイヤを回収して再生素材を収集し、再利用するという、エンドツーエンドのソリューションを提供していきます。
ミシュランは、世界で最も革新的で責任あるハイパフォーマンス企業の一つとして、経済、環境、社会における全ての責任に取り組んでいます。ミシュラングループの持続可能な開発とモビリティ戦略について、詳しくはmichelin.comをご覧ください。
出典