どんな時にスノーチェーンが必要になりますか?その効果は?
どんな時にスノーチェーンが必要になりますか?その効果は?
冬は路面がドライからウェット、雪、氷へと、1日の間に何度も変化することがあり、走行条件も厳しく予測も難しくなります。
泥や雪、氷が路面を覆っているときには、一般的にスノーチェーンが使用されます。スノーチェーンをいつ、どのように使用するかはこちらをご覧ください。
どんな時にスノーチェーンが必要ですか?装着方法は?
スノーチェーンが必要になる条件とは?
法律によって求められるとき
特定の地域、とりわけ、山道やスキー場に向かう道では、法律によってスノーチェーンの装着が求められることがあります。日本では、「B26」という標識がチェーン規制を意味しています。
しかしながら、多くの場合、この標識はスノータイヤを許容する別の標識を伴います。
スノーチェーンの装着を義務付ける法的な道路標識
夏タイヤを装着中の方
photo credits: Stéphane DUCLET
夏タイヤは気温が7℃を下回る場合での使用を想定して設計されていません。しかし、多くの方が一年中、夏タイヤを使用しています。このような場合、雪道を走行する際にはスノーチェーンの装着が必須です。
ただし、スノーチェーンにも限界があります:
- 寒い中、特に夜間に、路肩でスノーチェーンを装着するという行為は、決して喜ばしいことではありません。そのため、ぎりぎりまで装着しない場合が多く、それまでの間、グリップ力や駆動力が低下した危険な条件で運転することになるということです。
- Japanでは、スノーチェーンを付けている場合、時速50kmよりも早く走行することは法律で禁じられています。
加えて、安全面やスノーチェーンの破損を考慮して、路面に雪がなくなれば、速やかにチェーンを外すことが求められています。
こうしたスノーチェーンの欠点を考慮して、ミシュランでは、ウィンタータイヤやオールシーズンタイヤなど条件に適したタイヤの使用をお勧めしています。
ウィンタータイヤやオールシーズンタイヤを装着中のお客様
ウィンタータイヤやオールシーズンタイヤは、夏タイヤとは異なり、冬の気象条件でも走行できるように設計されています。タイヤに使用されているゴムは低温下でも柔軟で、タイヤに設けられた深い溝が冷たい路面もウェット路面も、積雪路面でも優れたグリップ力を発揮します。しかし、こうしたタイヤを装着している場合でも、過酷な条件下で走行する場合はスノーチェーンが有効で、凍結や降雪している路面でもグリップ力がアップします。
この場合は、どんなチェーンを使用するかが重要です。道路に雪が積もっていると、ウィンタータイヤやオールシーズンタイヤでも本来のグリップ力が低下するため、コンポジットや金属製のチェーンが最適です。
積雪や凍結している路面を走行する場合、夏タイヤにスノーチェーンを装着するのと、ウィンタータイヤではどちらが良いですか?
ミシュランの調査では、雪道を走行する際、夏タイヤに最高のスノーチェーンを装着した場合でも、駆動力や制動において、ウィンタータイヤやオールシーズンタイヤの性能にはかなわないことがわかっています。
しかし、凍結路面については、夏タイヤに金属チェーンを使用した場合、ウィンタータイヤやオールシーズンに比べて安全性が著しく向上することが証明されています。
ヨーロッパにおけるスノーチェーン規制はどのようなものですか?
ヨーロッパ各国で、スノーチェーンの使用に関する法律が設けられています。こうした法律では、使用できるチェーンの種類(例:ドイツやオーストリアでは、金属製のチェーンのみ使用可)や使用するタイミング、使用方法が定められています。
ヨーロッパの他の国での規制については、以下の表をご参照ください。
スノーチェーンの使用に関するヨーロッパ内の法規制:
国 | 雪用装備の種類(ソックス、チェーン、金属製チェーン) | 制限または法規制* |
フランス | 全種類の装備が使用可能(自己申告) | B26の道路標識が表示されている場合は必須 |
ドイツ | Onorm V5117(金属製チェーン)に認められた製品のみ可 | n°268の道路標識が表示されている場合は必須 |
オーストリア: | Onorm V5117(金属製チェーン)またはCEに認められた製品のみ可 | 11月1日から4月15日までの雪道で使用 |
イタリア | イタリアの法規制で認められているもの | 最高速度:時速50km |
スイス | スイスの法規制で認められているもの(ORT 14) | 雪道のみで使用 |
イギリス | 全種類のチェーンが使用可能 | 適度なスピードでの走行 |
オランダ | 全種類のチェーンが使用可能(規制法はない) | 速度制限なし |
ベルギー | 全種類のチェーンが使用可能(規制法はない) | 雪道や路面が凍結している場合のみ可 |
スウェーデン | 全種類のチェーンが使用可能(規制法はない) | 速度制限なし |
デンマーク | 全種類のチェーンが使用可能 | 雪道のみ可 |
スノーチェーンはどんな車両にも装着できますか?
ほとんどの車は従来の標準的なチェーンが使用可能です。しかし、車の中には特殊なチェーンが必要なものもあります。一般に、ホイールの小さな車では、標準的なチェーンでは車両を損傷する可能性があるとされています。その場合は、スノーソックスやコンポジッド製のチェーン、サイドチェーンを使用します。
チェーンを選ぶ際には、まずお車のモデルとタイヤのサイズを正しく把握しましょう。
また、車の推進システムも考慮しなければなりません。前輪駆動の車の場合、スノーチェーンはフロントタイヤにのみ装着します。一方で、後輪駆動の場合は、4つのタイヤすべてにチェーンを装着することで、後輪に走行と前輪のグリップをサポートします。四輪駆動車の場合は、4つすべてのタイヤにスノーチェーンが必要です。