グランプリレースが2度も仕切り直しとなる荒れ模様の中
ミシュランタイヤは安定したハイパフォーマンスを改めて証明
スペインのカタルニア・サーキットで行われたMotoGP世界選手権2026年シーズン第6戦ですが、土曜日のスプリントレースではBK8 Gresini Racing MotoGPのアレックス・マルケスが優勝。日曜日のグランプリレース(決勝レース)はクラッシュの同時多発的な発生が繰り返されて2度もレースを仕切り直すことになり、最終的には土曜日のスプリントレースと同じ12周で争われることになりましたが、Pertamina Enduro VR46 Racing Teamのファビオ・ディ・ジャンアントニオがこれを制しました。
今大会が開催されたカタルニア・サーキットは路面のグリップレベルが非常に低く、そして大会期間中は路面温度が大きく変化し続けたことにより、タイヤは高度な技術的要求に絶えずさらされました。そうした中でもミシュランのMotoGP公式タイヤ MICHELIN Power Slickは、高いグリップ力を安定的に発揮する特性により、激しい戦いを演じるMotoGPライダーたちの拠り所となって今回のカタルニアGPを走り切りました。
GRAND PRIX RACE RESULT - TOP 6
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | FRONT/REAR TIRE | TIME/GAP |
1 | 49 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | F: HARD/R: SOFT | 20'06.243 |
2 | 54 | フェルミン・アルデグエル | DUCATI | BK8 Gresini Racing MotoGP | F: HARD/R: SOFT | + 1.466 |
3 | 63 | フランチェスコ・バニャイア | DUCATI | Ducati Lenovo Team | F: HARD/R: MEDIUM | + 4.320 |
4 | 72 | マルコ・ベッツェッキ | APRILIA | Aprilia Racing | F: HARD/R: SOFT | + 4.679 |
5 | 20 | ファビオ・クアルタラロ | YAMAHA | Monster Energy Yamaha MotoGP Team | F: HARD/R: SOFT | + 4.876 |
6 | 10 | ルカ・マリーニ | HONDA | Honda HRC Castrol | F: HARD/R: MEDIUM | + 4.971 |
SPRINT RACE RESULT - TOP 3
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | FRONT/REAR TIRE | TIME/GAP |
1 | 73 | アレックス・マルケス | DUCATI | BK8 Gresini Racing MotoGP | F: HARD/R: SOFT | 20'02.258 |
2 | 37 | ペドロ・アコスタ | KTM | Red Bull KTM Factory Racing | F: HARD/R: SOFT | + 0.041 |
3 | 49 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | F: HARD/R: SOFT | + 0.457 |
カタルニアGP グランプリレース
本来の周回数は24周であった今大会のグランプリレースですが、首位走行中であったRed Bull KTM Factory Racingのペドロ・アコスタが車両トラブルにより突如失速し、これにBK8 Gresini Racing MotoGPのアレックス・マルケスが追突して大クラッシュ。さらに、ちぎれ飛んだホイールにファビオ・ディ・ジャンアントニオが接触して転倒し、12周目に入ったところで1度目の赤旗が提示されました。レースは、それまでに消化した11周を本来の周回数から減じた13周で仕切り直されましたが、そのスタート直後にマルチクラッシュが発生。改めて12周で再スタートが切られたレースのオープニングラップがこの写真で、ポールスターターのアコスタがリード。その後、2列目の4番手グリッドからスタートしたディ・ジャンアントニオ(写真では5番手)が徐々にポジションを上げていき、残り2周で首位に躍り出ると、逃げ切って優勝をつかみました。
路面のグリップレベルが低いカタルニア・サーキットは、コーナーから立ち上がっていく際のリヤタイヤのスリップ率が高く、トレッドの温度が上がりやすいことから、タイヤにひときわ厳しいコース。右回りの高速コーナーが多いため、リヤタイヤは右側ショルダーのコンパウンドを硬めにした左右非対称設計としました。
予選は15℃という低さの路面温度のもとで行われましたが、ミシュランタイヤの高いウォームアップ性能に支えられた各ライダーはタイムアタックを存分に展開。KTMのアコスタが363.6km/hというカタルニア・サーキットのMotoGP最高速度新記録を樹立しながら最高峰クラスで通算2度目のポールポジションを獲得しました。
予選後のサーキットは路面温度が上昇し、土曜日の午後3時のスプリントレース開始時点で41℃に。全ライダーが、フロントにミディアム、リヤにソフトのMICHELIN Power Slickを選んでスタートし、4周目で首位に立ったアレックス・マルケスがアコスタの激しいチャージを押さえ切って勝利。今季初のスプリント優勝を手にしました。
日曜日のグランプリレースのスタート時の路面温度は32℃。全ライダーが前後ともにミディアムタイヤを履きました。12周目に赤旗が提示され、13周で仕切り直されたレースに対しては、出走19名中12名のライダーがリヤをソフトにスイッチ。そのひとりであったディ・ジャンアントニオがMotoGPキャリア2度目の優勝を飾りました。
グランプリレースの暫定結果に基づいた表彰台の顔ぶれ。左から、暫定2位であったジョアン・ミル、優勝のディ・ジャンアントニオ、暫定3位であったフェルミン・アルデグエル。この後、ミルを含む5名にタイヤの規定最低内圧超過が確認されてペナルティタイム16秒が加算され、ミルの正式結果は13位となった一方、アルデグエルは2位に繰り上がりました。
路面のμ(摩擦係数)が低く、リヤタイヤの摩耗が進みやすいコースである上に、今大会で走行が行われた3日間の路面温度は一様でなく、タイヤにとっては難しいコンディションでしたが、それだけにミシュランタイヤの安定的なハイパフォーマンスがひときわ力強く各ライダーを支えた一戦になりました。