用途に合わせたバルブ
タイヤがチューブタイプかチューブレスレディかによって、自転車のタイヤバルブが異なる場合があります。チューブタイプ(インナーチューブ)タイヤの場合、プレスタ、シュレーダー、ウッズ、レジーナの4種類のタイヤバルブが使用可能です。チューブレスレディタイヤの場合は、プレスタバルブのみ使用できます。
それぞれのバルブについて詳しく見ていきましょう。
プレスタ(仏式)バルブ
プレスタバルブはチューブタイプ、チューブレスレディのどちらにも装着可能です。
【チューブレスレディでの取り付け方法】
リムのバルブ穴に合わせて、リムテープを切らずに小さな穴を開けてください。バルブを差し込んだら、キャップを外し、軽くたたいて貫通させます。ゴムのリングがしっかり穴に密着するようにし、内側からナットで締めて密封します。
※チューブタイプの場合は「チューブタイヤの取り付け方法」記事をご覧ください。
【メリット】
上部の「キャップ」を手で回すだけで簡単に空気圧の調整が可能です。 軽く押せば少し、強く押せば一気に空気が抜けます。キャップを外せば、空気の注入もスムーズに行えます。バルブの細さ(シュレーダーより細い)により、リムの穴を小さくでき、リムの強度を確保できます(特にロードバイクに有利)。
【デメリット】
バルブが細くて繊細なので、空気入れの際にポンプの取り付けで破損しやすい点に注意が必要です。バルブには「ネジ付き」と「ネジなし」があります。ネジ付きは、グラベルやMTBなど低圧で使うハードな用途におすすめ(チューブが回転するのを防ぐため)。ネジなしは、空気圧が高くチューブの回転が少ないロードバイクに最適です。
シュレーダー(米式)バルブ
スタンダードバルブは自動車やオートバイと同じタイプです。
【メリット】
車やバイクと同じタイプのバルブなので、ガソリンスタンドの空気入れが使えます。ポンプを持っていなくても、どこでも空気圧を調整できるのが便利です。
【デメリット】
シーラントを入れたり、空気を一気に抜いたりしたい場合は、専用の工具が必要になります。 空気圧の微調整も難しく、入れすぎた空気を抜くにはクリップや細いピンなどが必要です。
バルブのサイズが大きいため、軽量リムには不向きです。高性能なロードバイクなどのリムでは使われないことが多いです。
ウッズ(英式)バルブ
ウッズバルブは、自転車黎明期に広く使用されていたタイヤバルブです。
ダンロップ社によって開発されたこのバルブは、イギリスや日本を含む多くの国で今でも使用されています。仏式ポンプで空気を入れることができます。
【メリット】
仏式と同様、シンプルな構造でしっかりと密閉できます。湿気の多い地域でもサビにくく、丈夫で長持ちします。
【デメリット】
バルブ径が大きいため、軽量な高級リムには向いていません。空気圧の調整が難しく、バルブを緩めると一気に空気が抜けてしまうため、細かい調整には不向きです。
レジーナバルブ(イタリアン式)
レジーナバルブはイタリアのシティバイク専用のタイヤバルブです。
【特徴】
Reginaバルブは、イタリアのシティバイク専用で使われているバルブです。
【デメリット】
空気を入れた後、すぐに金属キャップをねじ込まないと空気が抜けてしまうため、少し扱いづらいです。仏式バルブと競合する目的で開発されましたが、空気の調整が難しく、現在ではあまり使われなくなっています。
自転車のタイヤには、どのようなタイプのバルブを取り付けられるのでしょうか?
リムによるバルブの制限について
自転車のバルブは、リム(ホイール)に開いている穴の大きさによって制限されます。
例えば:
米式バルブ(シュレーダー)は穴の直径が約8.5mm
仏式バルブ(プレスタ)は穴の直径が約6.5mm
そのため、米式対応のリムには仏式バルブも装着可能です(バルブホール変換アダプターを使用)。しかし、仏式対応のリムには米式バルブは装着できません。穴が小さすぎて入らないためです。
このような理由から、最初に使われていたバルブの種類をそのまま使うのが安全で簡単です。
シーリングとインナーチューブ
タイヤ交換時のチューブのチェックについて
タイヤを交換する際は、新しいチューブの使用をおすすめします。
ただし、古いチューブを再利用したい場合は、必ず状態を確認してください。
なぜ確認が必要なのでしょうか?
チューブはタイヤの中で常に動いており、時間が経つとバルブまわりにひび割れが生じることがあります。
その結果、空気漏れの原因になることがあります。
再使用する場合は、特にバルブまわりにひびや損傷がないかをしっかりチェックしましょう。