2024年は全20戦が行われるMotoGP。ミシュランは2016年からMotoGPクラス唯一のオフィシャルサプライヤーとしてタイヤを供給おり、その契約は2026年まで続きます。世界最高峰のマシンを使い、世界最高峰のライダーとチームの声を聞きながらタイヤを開発。過酷なレースで実験し、証明し、技術化することを続けているのです。今回は10月4日から6日の期間でモビリティリゾートもてぎで開催される日本GP観戦がもっと楽しくなる、ミシュランのレーストリビアを紹介しましょう。
ミシュランはなぜMotoGPに参戦しているのでしょうか?
ミシュランは世界最高峰のレースに50年参戦を続け、500回以上の勝利を獲得しています。そして、レースを通じてラジアルタイヤやマルチコンパウンド・テクノロジーなど、モーターサイクルレースに革命をもたらすイノベーションを次々と生み出してきたのです。ミシュランはイノベーションを生み出す最上位のラボとして、常にレースに取り組んでいます。
MotoGPマシンの開発スピードはとても早く、マシンが進化すれば、当然タイヤへの要求レベルも上がります。ミシュランは二輪、四輪を問わず、タイヤは車両のパフォーマンスを最大化する部品として考えているため、その要求に応えるべくタイヤを開発しているのです。今シーズも多くのサーキットで更新されているラップタイムがそれを証明しています。
ミシュランマンが右手に持っているのがMotoGP用のタイヤで左手に持っているのがMotoE用のタイヤです。
MotoGP
MotoGPは各メーカーのプロトタイプ
MotoE
MotoEはドゥカティの全電動バイクであるV21Lのワンメイクで、ミシュランのサステナブルタイヤを使用。
2クラスのタイヤサプライヤーとなることで、ミシュランは革新的技術を追求しています。またミシュランは、MotoEタイヤの技術を数年のうちにMotoGPにフィードバックするともに将来の市販用タイヤに転用することを公言しています。
もちろん、これからも勝利を積み重ね、新しいテクノロジーを生み出していきますが、MotoGPにおけるイノベーションの次のステージは、タイヤの性能やそのライフサイクル全体を犠牲にすることなく、再生可能素材やリサイクル素材をタイヤに採り入れることです。
そのためにミシュランは新たなるタイヤ開発の場として、全電動バイクで争われるMotoEの選手権に2019年からオフィシャルサプライヤーとしてタイヤを供給。MotoEでは、再生可能およびリサイクル素材を平均 50%以上(フロント 49%、リア 53%)含んだタイヤを使用しています。
ミシュランは2030年までに40%、2050年までにタイヤを100%持続可能材料にする、という目標に持っています。これはタイヤというプロダクトに関しては、二輪や四輪、トラックやバス、産業用などを含めたすべてに当てはまる壮大なプロジェクトで、要求レベルが高く、開発スピードが求められるレースという環境で技術を蓄積しているのです。
サステナブルタイヤの実践投入としては、ミシュランの中で最も進んでいるのがMotoEです。再生可能およびリサイクル素材は、主に天然ゴムや柑橘類の皮、もみ殻から抽出したシリカ、松脂、リサイクルされたカーボンブラックやスチールなどです。ちなみに2023年はフロント:34%、リア:52%でした。
MotoE タイヤは、今シーズンから2017年に発表されたコンセプトタイヤ「VISION」のデザインを採用。VISIONはトレッドを3Dプリンターで再生、コネクテッドでエアレスなサスティナブルタイヤ。
そのコンセプトをイメージするデザインをMotoEタイヤのトレッド部に採用し、MotoEタイヤがVISIONのライン上にいることを証明しているのです。ちなみにこの模様は数周で消えます。
毎戦、新たに開発した約1100本ものタイヤを実践投入
毎戦1100本ものタイヤが各グランプリに持ち込まれます。ただ、レーシングタイヤは年々レンジが広がっており、それが使用本数の軽減に繋がっています。ミシュランは、レンジを広げつつポテンシャルを向上させるチャレンジを続けているのです。
MotoGPに関する様々な数値に注目してみましょう
各ホイールにはTPMS(Tire Pressure Monitoring System)を装着。車両側にもセンサーを取り付け、常に空気圧をチェックしています。
各グランプリにはミシュランスタッフが帯同します。
レーシングタイヤにとってタイヤや路面の温度はシビアです。
そのため、同じグランプリでも開催時期が変わるとタイヤのコンパウンドや内部構造は変わるのです。
タイヤテクニシャンがオリジナルのアプリである『Tire watch』を使って、各ライダーがどのタイヤを選択しているかを確認。
各タイヤの内圧や温度は常に管理&検索でき、レギュレーションで定められている最低内圧もチェックし、公平性と安全性を確保しています。
日本GPでは、日本初となるMotoEタイヤの展示も行う予定です!VISIONデザインにぜひ触れてみてください。
10月4日から6日の期間で、モビリティリゾートもてぎで開催される日本GPのミシュランブースでは様々なイベント開催します。それでは日本GPでお会いしましょう!
2024年10月2日掲載
※掲載内容は掲載時の情報です
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