
本編をより楽しめるスパイス、『ブラックペアンと言いたくて...〜万年ヒラ医局員の憂鬱な日常〜』の撮影現場に潜入!
MICHELIN(ミシュラン)と担当プロデューサー・武藤さんの意外な接点も判明!?
「這い上がる。医局のどん底からな。」……日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』のサイドストーリー、『ブラックペアンと言いたくて...〜万年ヒラ医局員の憂鬱な日常〜』が、本編をより楽しめるスパイスになるとともに、明日へのゲンキをもらえる一服の清涼剤になっています。
今回「ミシュランエクスペリエンスマガジン」では、第6話(8月18日先行配信、8月22日放送分)の撮影現場にお邪魔してきました。撮影の舞台は、TBSの「緑山スタジオ・シティ(MSC)」。取材とはいえ、ちょっとした“オトナの社会科見学”気分になってしまい、正直なところワクワクを隠しきれません。
ちなみに同スタジオでは、中学生や高校生といった感受性豊かな次世代を対象とした、「見学・ドラマ制作体験」プログラムなども開催しています。
そして、担当プロデューサーの武藤さんには、サイドストーリーの狙いや見どころなどを伺うことができました。色々とお話していく中で、ミシュランと武藤さんには意外な接点があることも判明しました。それは、タイヤでもレストランでもありません。答えは後ほど!
横浜市青葉区にある「緑山スタジオ・シティ」は、6つのスタジオや美術工房、衣装倉庫、広大な野外スペースなどを備えた、TBSドラマの聖地です。
時にはロケ地にもなるという正面ロビーには、本編のプロモーションビジュアルが掲げられていました。
担当者と取材の流れをかるくすり合わせた後、スタジオ入りまで30分というところで特急ランチへ。ちなみに5階にある食堂は、通称“5食(ごしょく)”と呼ばれているそうです。少しばかり“誤植(印刷物に文字などの誤りがあること)”を連想させる呼び名は、気を引き締める意味でも絶妙かもしれませんね。
この日は、勝手に名物だと思っていた「塩タンメン(530円)」をセレクト。“早飯も芸のうち”とばかりに威勢よくススりましたが、舌をヤケドするは汗は吹き出るはで、ちょっと後悔しました(味はグッドでしたよ!)
第6話の収録では、サイドストーリーで主演を務める今野浩喜さん(東城大学医学部付属病院の外科医・関川文則)をはじめとした、“チーム・ブラックペアンと言いたくて”の面々が大集結! 活気あふれるスタジオでは、30人ほどのスタッフさんが入れ代わり立ち代わり、それぞれの役割を果たしていました。
まずは同作を観ていない方に向け、ストーリーを簡単に紹介していきます(すでに楽しんでいる方は流し読みしてください)。
万年ヒラ医局員の関川が夢見ているのは、佐伯教授のように外科医の頂点に立ち、「ブラックペアン」という言葉をクールに発すること。その一方、関川は外科医としての技術だけでなく、後輩からの人望すらなく、理想と現実の狭間であがく日々を過ごしています。
同作では、そんな関川が巻き起こす「哀愁の心臓震(ハートフル)」とともに、本編では描き切れない医局員たちの素顔や人間関係にもフォーカス。1話あたり約10分というショートストーリーながら、同作を観れば、本編の『ブラックペアン シーズン2』を2倍も3倍も楽しめること間違いなしです。
第6話は、あのブラックペアンが真っ二つになるという衝撃の展開。収録は台本に沿いながら、様々な指示を瞬時に理解したスタッフさんによって、テキパキと進行していきます。そして、今野さんをはじめとした役者さんは、動き回るスタッフさんを横目に、次の演技に向けて集中力を高めています。
諸々のセッティングやリハーサルが完了したら、「本番っ!」の声とともにベルが鳴り響き、収録スタート。つい先ほどまで動き回っていたスタッフさんは気配を消し、カメラに映り込まない場所から静かに見守っています。
そして、「カーーット! オッケー!」の声がかかるとすぐさま動き出し、次のシーンに向けたセッティングを賑やかに始めていきます。その動きに迷いはなく、目の前で何度も展開される“静と動のコントラスト”には、ちょっとした感動すら覚えます。
プロデューサーの武藤さんによると、「様々な“声だし”はドラマ作りにおいて非常に重要です。その声によって、スタッフや役者さんが状況を理解し、共有しながらドラマ作りを進めていきます。現場に活気や勢いも出るので、声だしはいつでも推奨中です(笑)」とのことでした。
ドラマ作りの現場には、瞬時の意思疎通によって強さが変わる、バスケやサッカーといったチームスポーツと通じる部分があるようです。
M5スタジオの扉の向こうには、医局や手術室、仮眠室などから成る「東城大学医学部付属病院」が作られています。もちろん、医療機器や手洗い装置、消耗品の数々はすべてホンモノです。
『ブラックペアン』シリーズには欠かせない仮眠室。実際に医療に関わっている方々には、ただただ頭が下がるばかりです。
手術室の仕立てやそこに流れる空気感は、実際に手術が行われているのではないかと思うぐらいのリアリティに溢れていました。
医局内の片隅には、いわゆる外科結びのトレーニング器具も置かれていました。竹内涼真さん演じるジュノこと世良が、地道に研鑽を積み重ねているシーンは、「努力は裏切らない」という人生の教訓を呼び起こしてくれます。
この日は、プロデューサーの武藤さんに改めてお話を伺うことができました。ずばり、サイドストーリーの狙いは何なのでしょうか?
「命の尊さや大人の駆け引きを扱っている本編は、医療エンターテインメントとして、重厚な雰囲気や緊張感を大切に制作しています。一方、サイドストーリーでは、それぞれのキャラクターの“裏側”を知ってもらいながら、ちょっとした息抜きになれるような人間模様を描いています。1週間のスタートである月曜日に向け、視聴者の皆様にほっこりした気分になってもらえれば幸いです」
今野さんが演じる関川は、腹立たしいけれど自分の気持ちに正直とも言えるので、観ているうちに段々と愛情が湧いてきて、クスっと笑ってしまうことすらあります。
「それは今野さんをはじめ、役者さんたちのお芝居の力の賜物ですね。サイドストーリーはコメディタッチで描いているのですが、実はコメディを演じるのは、恋愛やサスペンスよりも難しいんです。しっかりしたお芝居ができない役者さんが演じるとまったく笑えなくなってしまうし、「どうだ、俺って面白いだろ!?」みたいなお芝居をされると作品が死んでしまう。役者さんたちの底力が垣間見える、“全力”のお芝居にもぜひ注目してください」
“なりたい自分”はあるけれど、現実はそう上手くいかない……。関川のような状況は、現実社会でもありそうです。
「上からは好き放題言われ、下に対しては異常なまでの気遣いが求められる……。現代の中間管理職は、気苦労が絶えません。サイドストーリーでは、そんな時代に対する社会風刺もちょっぴり盛り込んでいます。もしも関川のような葛藤を抱えているなら、関川を通して“心の叫び”を発散してもらってもいいかもしれません。
私の若い頃は、今ではパワハラ間違いなしの罵詈雑言が日常的に飛び交っていましたが(笑)、今は時代がまったく違います。若いスタッフにはドラマ作りに全力投球してほしいと思う一方、ワークライフバランスも考慮しながら頑張ってもらっているところです」
最後になりますが、武藤さんのカーライフやミシュランについて聞かせてください。
「ミシュランと聞いて真っ先に浮かんだのは、実はボクシングシューズのソールなんです。私は30年以上ボクシングを続けているのですが、シューズはエバーラスト(EVERLAST)というアメリカブランドのものを長く愛用しています。そのシューズのソールが、ミシュラン製なんです。ソールには、『MICHELIN(ミシュラン)』のロゴも入っていますよ。
このシューズはソールにカミソリがついているんじゃないかっていうくらいリングに食いつき、鋭い踏み込みをサポートしてくれるんです。正直、エバーラストを選んでいるというよりも、ミシュランのソールで選んでいるようなものです。
そうそう、井上尚弥選手と“パウンド・フォー・パウンド(※)”の座をしばしば争っている、テレンス・クロフォード選手が履いていることも、映像で確認しました(笑)」
終始エネルギッシュに、色々と語ってくれた武藤さん。ドラマ作りもボクシングも、“好き”は何物にも代えがたいパワーになるのだと感じた取材でした。
※全階級の中で誰が最強であるかを指す称号
現在ミシュランエクスペリエンスマガジンでは、『ブラックペアン シーズン2』と『ミシュランガイド』がコラボした、期間限定のクイズ&プレゼントキャンペーンを実施中。今野さんが手にしている『ミシュランガイド 東京 2024』やオリジナルマグカップなど*が当たります!
*プレゼントは放送話毎に変わります。詳しくはキャンペーンページから放送終了後に登場する応募フォームにてご確認ください。
出題されるクイズは同作を観ていれば分かるカンタンなもので、放送終了後30分以内に応募すると、さらに特典が付くという仕掛けもあります。こちらもお見逃しなく!
企画構成・文/のぐち まさひろ
取材協力:TBSテレビ
2024年8月21日掲載
※掲載内容は掲載時の情報です