小椋 藍がMotoGPグランプリレース初優勝を達成
日本人ライダー22年ぶりの快挙をミシュランタイヤが支える
ミシュランが公式タイヤサプライヤーを務めるMotoGP世界選手権の2026年シーズン第10戦オランダGPが開催され、土曜日のスプリントレースではSuperFile Trackhouse MotoGP Teamのラウル・フェルナンデスが、日曜日のグランプリレース(決勝レース)では同じくSuperFile Trackhouse MotoGP Teamの小椋 藍がそれぞれ優勝を飾りました。ロードレース世界選手権の最高峰クラスにおける日本人ライダーの優勝は、2004年の日本GP(玉田 誠/ホンダ)以来、22年ぶりのことでした。
今大会は、ミシュランがMotoGPの公式タイヤサプライヤーとして参加してきた過去10回のオランダGPにおける平均的な水準よりはるかに高い路面温度のもとでの開催となりました。それでもミシュランタイヤは卓越した性能と安定性を発揮し、チェッカーフラッグが振られるまで各ライダーが全力で競い合える状況を創出。グランプリレースにおいては多くのライダーがミディアム仕様のMICHELIN Power Slickを前後ともに使用しましたが、そのひとりであった小椋は、26周のレースの15周目にファステストラップをマークし、20周目に首位に立つとリードを着実に広げ、文句なしの内容で初めてのMotoGP優勝をつかみ取りました。
GRAND PRIX RACE RESULT - TOP 6
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | FRONT/REAR TIRE | TIME/GAP |
1 | 79 | 小椋 藍 | APRILIA | SuperFile Trackhouse MotoGP Team | F: MEDIUM/R: MEDIUM | 40'21.905 |
2 | 25 | ラウル・フェルナンデス | APRILIA | SuperFile Trackhouse MotoGP Team | F: MEDIUM/R: MEDIUM | + 2.004 |
3 | 89 | ホルヘ・マルティン | APRILIA | Aprilia Racing | F: MEDIUM/R: MEDIUM | + 3.512 |
4 | 49 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | F: MEDIUM/R: MEDIUM | + 9.315 |
5 | 73 | アレックス・マルケス | DUCATI | BK8 Gresini Racing MotoGP | F: MEDIUM/R: SOFT | + 10.140 |
6 | 23 | エネア・バスティアニーニ | KTM | Red Bull KTM Tech3 | F: MEDIUM/R: MEDIUM | + 10.388 |
SPRINT RACE RESULT - TOP 3
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | FRONT/REAR TIRE | TIME/GAP |
1 | 25 | ラウル・フェルナンデス | APRILIA | SuperFile Trackhouse MotoGP Team | F: MEDIUM/R: SOFT | 20'05.310 |
2 | 79 | 小椋 藍 | APRILIA | SuperFile Trackhouse MotoGP Team | F: MEDIUM/R: SOFT | + 0.362 |
3 | 49 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | F: MEDIUM/R: SOFT | + 1.131 |
オランダGP優勝 小椋 藍(アプリリア RS-GP)
前戦のチェコGPでMotoGPキャリア初のポールポジションを獲得し、スプリントレースとグランプリレースの双方で自己ベストの2位フィニッシュを果たした小椋は、今大会の予選でもセカンドベストとなる好タイムをマークしました。そして周回数13周で行われたスプリントレースでは、2大会連続となる2位に。周回数26周のグランプリレースでは、序盤におけるトップグループの攻防の中で一時は6番手にまで後退しましたが、定評のあるレース後半での強さを今回も遺憾なく発揮。残り10周となったところでファステストラップを叩き出すと、18周目にはアプリリアワークスのホルヘ・マルティンを、20周目には前日のスプリントで唯一届かなかったチームメイトのフェルナンデスをパス。世界グランプリにおける伝統の一戦であるオランダGPで最高峰クラス初優勝を手にしました。
今大会が行われたTTサーキット・アッセンは、ハイスピードながら車体を倒している時間が長く、特にリヤタイヤに高い負荷がかかるコース。そして、前年大会では一度も40℃を超えることのなかった路面温度が、今大会ではスプリントでもグランプリでも50℃付近の高さとなり、タイヤに厳しい条件となりました。
予選では2024年MotoGPチャンピオンのマルティンがほぼ2年ぶりにポールポジションを獲得し、トップ4をアプリリア勢が独占。続いて行われたスプリントレースは、Trackhouse アプリリアのフェルナンデスと小椋による1-2となり、VR46 ドゥカティのファビオ・ディ・ジャンアントニオが3位に入りました。
グランプリレースでは#89 マルティンが16周にわたって首位を走りましたが、17周目に#25 フェルナンデスが先頭へ。このスペイン人のチームメイトを#79 小椋が20周目に抜き去りました。首位に立った小椋はリードを広げていき、出場28戦目にしてMotoGPグランプリレースにおける初優勝をさらいました。
今大会ではアプリリアのサテライトチームであるTrackhouse MotoGP Teamが、スプリントとグランプリの両レースで1-2フィニッシュを飾ることに。グランプリレースを制した小椋は、ミシュランタイヤを履いて世界グランプリ最高峰クラスで優勝した65人目のライダーとなりました。
ミシュランが今大会に持ち込んだタイヤの技術仕様は昨年大会に準じたものでしたが、持ち前の作動温度域の広さによって、これまでにない高さとなった今回の路面温度にも存分に対応。フロントタイヤに関してはミディアム仕様がスプリントとグランプリの双方で全ライダーに選ばれました。
グランプリレースに出場した22名のライダーのうち16名はリヤにミディアムタイヤを選んだ中、あえてソフトを履いたマルク・マルケスはレース終盤の23周目に自己ベストを記録。ミディアムより摩耗が進むことは確かなソフトでのこのパフォーマンスは、ミシュランタイヤの安定性の高さを何より雄弁に語るものでした。