シーズン随一のトリッキーなコースで
あらゆる種類のミシュランタイヤが活躍
出場全車がミシュランタイヤを使用するMotoGP世界選手権の2025年シーズン第11戦ドイツGPが開催され、Ducati Lenovo Teamのマルク・マルケスが、土曜日に行われたスプリントレース、日曜日に行われたグランプリレース(決勝レース)の双方で優勝を飾りました。
今大会が開催されたザクセンリンクは、3.671kmという短いコースの中に13カ所の旋回区間を持ち、第4コーナーから第10コーナーまではひたすら左回りが続きます。この特殊なレイアウトに対応するためにミシュランは、リヤだけでなくフロントも左右非対称コンパウンド仕様としたMICHELIN Power Slickを用意。金曜日のプラクティスでPertamina Enduro VR46 Racing Teamのファビオ・ディ・ジャンアントニオが従来記録を0.4秒近くも塗り替える新しいオールタイムラップレコード(当該サーキットにおけるMotoGPマシンでの史上最速ラップタイム)を記録して、ミシュランの仕事の確かさを証明しました。また、今大会の予選はウェットコンディションのもとで行われましたが、前後で2種類ずつコンパウンドの選択肢を持ったMICHELIN Power Rainが各ライダーの足元を支えました。
GRAND PRIX RACE RESULT - TOP 6
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | TIRE CHOICE | TIME / GAP |
1 | 93 | マルク・マルケス | DUCATI | DUCATI LENOVO TEAM | F:HARD R:MEDIUM | 40'42.854 |
2 | 73 | アレックス・マルケス | DUCATI | BK8 GRESINI RACING MOTOGP | F:HARD R:MEDIUM | + 6.380 |
3 | 63 | フランチェスコ・バニャイア | DUCATI | DUCATI LENOVO TEAM | F:HARD R:MEDIUM | + 7.080 |
4 | 20 | ファビオ・クアルタラロ | YAMAHA | MONSTER ENERGY YAMAHA MOTOGP TEAM | F:HARD R:MEDIUM | + 18.738 |
5 | 54 | フェルミン・アルデゲル | DUCATI | BK8 GRESINI RACING MOTOGP | F:HARD R:MEDIUM | + 18.916 |
6 | 10 | ルカ・マリーニ | HONDA | HONDA HRC CASTROL | F:HARD R:MEDIUM | + 24.743 |
SPRINT RACE RESULT - TOP 3
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | TIRE CHOICE | TIME / GAP |
1 | 93 | マルク・マルケス | DUCATI | DUCATI LENOVO TEAM | F:MEDIUM R:SOFT | 22'25.747 |
2 | 72 | マルコ・ベッツェッキ | APRILIA | APRILIA RACING | F:MEDIUM R:SOFT | + 0.938 |
3 | 20 | ファビオ・クアルタラロ | YAMAHA | MONSTER ENERGY YAMAHA MOTOGP TEAM | F:MEDIUM R:SOFT | + 4.361 |
ドイツGP優勝 マルク・マルケス(ドゥカティ・デスモセディッチGP)
雨の予選で今季7回目のポールポジションを獲得したマルケスは、やはりウェットコンディションの中で行われたスプリントレースのスタート直後の第1コーナーでラインをはらませて5番手にまで後退しましたが、その後は先行したライダーたちを次々にオーバーテイク。最終ラップでAprilia Racingのマルコ・ベッツェッキをかわして首位に立ち、スプリント10勝目をマークしました。明くる日曜日のグランプリレースはドライコンディションのもとで開催されましたが、こちらでのマルケスはスタートで首位を奪うと、ライバルたちをまったく寄せつけずに快勝。今季グランプリレース7勝目、そしてザクセンリンクでのMotoGP通算9勝目を飾りました。
ザクセンリンクは、左回りのコーナーが7カ所も続いたところで右回りの第11コーナーが現れ、同コーナーを迎えたときにはタイヤの右側のトレッド面が冷えてしまっていて十分なグリップを得にくいという難しさがあります。そこでミシュランは、リヤ用のみならずフロント用にも、右側により柔らかいコンパウンドを使ったMICHELIN Power Slickを用意して備えました。
土曜日は、午前中のフリープラクティスの途中から雨模様になり、予選も雨の中での実施に。各ライダーは、フロント用、リヤ用ともにソフトとミディアムのコンパウンド設定があるMICHELIN Power Rainを使用して、レベルの高い走りを披露しました。この予選では、2位に入ってきたCastrol Honda LCRのジョアン・ザルコの速さが目立っていました。
30周のグランプリレースでは、独走したマルク・マルケスの後方で激しいバトルが繰り広げられました。前半ではファビオ・ディ・ジャンアントニオやマルコ・ベッツェッキらが2位争いをリードしましたが、彼らはともに転倒。最終的にはアレックス・マルケスが2位、フランチェスコ・バニャイアが3位でゴールし、ランキングトップ3を占める3名が表彰台に上りました。
今シーズンこれまで4度もポールポジションを獲得しているMonster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロですが、予選で見せる速さをレース結果につなげられないことが多かったことも確かでした。しかし今大会では、ウェットのスプリントレースで3位、そしてドライで長丁場のグランプリレースでも4位でフィニッシュし、パフォーマンスの向上を示しました。
鈴鹿8時間耐久レースのテストでクラッシュし、骨折や気胸の大怪我を負ったために過去3戦は欠場を強いられていたHonda HRC Castrolのルカ・マリーニが今大会から戦線に復帰。「筋力がまだ十分に回復していない」と言いながらも好走を見せ、グランプリレースでは彼自身としても望外の6位でフィニッシュ。今大会におけるホンダ勢の最上位となる結果を出しました。
ドライコンディションで行われたグランプリレースでは、出場ライダーの全員が、フロントにハード、リヤにミディアムというコンパウンド選択をし、高いタイヤ性能を安定的に得ながらレースを戦いました。フロントタイヤに左右非対象コンパウンド仕様を使うコースはシーズン中に3カ所しかありません。そのひとつであるザクセンリンクでミシュランが取った策は有効に機能し、各パートナーのレースを支えました。