シーズン随一の過酷なコースでも最速レースタイムを更新
マルケスとミシュランタイヤが本領を発揮する。
二輪ロードレースの最高峰シリーズであるMotoGP世界選手権の2025年シーズン第13戦オーストリアGPが開催され、Ducati Lenovo Teamのマルク・マルケスが、土曜日のスプリントレースと日曜日のグランプリレース(決勝レース)の双方を制しました。マルケスのスプリントレース優勝は今季13戦目にして実に12回目、グランプリレース優勝も9回目を数えました。
今大会が開催されたレッドブルリンクは、強い加速と激しいブレーキングが繰り返されるレイアウトであることから、前後のタイヤは非常に大きな負荷を受けます。また、路面のグリップレベルがとても低いため、加速時におけるリヤタイヤの空転量が大きく、甚大な熱が発生します。このようなレッドブルリンクは、タイヤにとっての過酷さでは総合的に随一と言えるコースであり、ミシュランは特殊な構造を与えたリヤタイヤを用意するなどの準備を行って今大会を迎えました。そしてスプリントレースは、路面温度が49℃という高温に達した中でスタートが切られましたが、マルケスは従来記録を2.7秒も短縮するレースタイムで優勝。グランプリレースの優勝レースタイムも更新され、ミシュランの技術レベルの高さが実証された週末となりました。
GRAND PRIX RACE RESULT - TOP 6
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | TIRE CHOICE | TIME / GAP |
1 | 93 | マルク・マルケス | DUCATI | DUCATI LENOVO TEAM | F:MEDIUM R:MEDIUM | 42'11.006 |
2 | 54 | フェルミン・アルデゲル | DUCATI | BK8 GRESINI RACING MOTOGP | F:MEDIUM R:MEDIUM | + 1.118 |
3 | 72 | マルコ・ベッツェッキ | APRILIA | APRILIA RACING | F:MEDIUM R:MEDIUM | + 3.426 |
4 | 37 | ペドロ・アコスタ | KTM | RED BULL KTM FACTORY RACING | F:MEDIUM R:MEDIUM | + 6.864 |
5 | 23 | エネア・バスティアニーニ | KTM | RED BULL KTM TECH3 | F:MEDIUM R:MEDIUM | + 8.731 |
6 | 36 | ジョアン・ミル | HONDA | HONDA HRC CASTROL | F:MEDIUM R:MEDIUM | + 10.132 |
SPRINT RACE RESULT - TOP 3
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | TIRE CHOICE | TIME / GAP |
1 | 93 | マルク・マルケス | DUCATI | DUCATI LENOVO TEAM | F:MEDIUM R:SOFT | 20'56.071 |
2 | 73 | アレックス・マルケス | DUCATI | BK8 GRESINI RACING MOTOGP | F:MEDIUM R:SOFT | + 1.180 |
3 | 37 | ペドロ・アコスタ | KTM | RED BULL KTM FACTORY RACING | F:MEDIUM R:SOFT | + 3.126 |
オーストリアGP優勝 マルク・マルケス(ドゥカティ・デスモセディッチGP)
前戦から約1カ月のインターバルがあったMotoGPですが、夏休みを挟んでもマルケスの飛び抜けた強さに変わりはありませんでした。予選は、転倒によってタイムを詰め切れなかったため4位でしたが、スプリントレース、グランプリレースともに盤石と言える強さで優勝。意外にもこれまで彼が勝ったことのなかったレッドブルリンクでの初めての勝利を完璧な内容で手にしました。
レッドブルリンクは“ストップ&ゴー”タイプのサーキットである上に、1周のうちに65メートルもの高低差があり、タイヤにひときわ強い負荷がかかることから、ミシュランはドライコンディション用のMICHELIN Power Slickについては前後ともに強化型を用意しました。
リヤタイヤには、レッドブルリンク専用の特殊な構造を採用。標準のものより10~15℃もタイヤの発熱を抑えられるもので、負荷が高い上に、路面のグリップレベルが低いためにホイールスピン量が大きいこのコースでのハードなレースに耐え得る技術仕様としました。
予選ではAprilia Racingのマルコ・ベッツェッキが最速。このイタリア人ライダーにとっては2年ぶりの、アプリリアにとっては今シーズン初のポールポジション獲得でした。レースでもベッツェッキは、土曜日には4位、日曜日には3位と、上々の結果を残しました。
グランプリレースの折り返し時点では5番手につけていた#54 フェルミン・アルデグエルでしたが、フランチェスコ・バニャイア、ペドロ・アコスタ、そしてベッツェッキといった強豪たちを次々に攻略。20歳のMotoGPルーキーが自己ベストとなる2位を獲得しました。
7大会・全14レースで争われる今シーズンのMotoEの3大会目が開催されました。2回のレースはともに土曜日に行われ、どちらもFelo Gresini MotoEの#11マッテオ・フェラーリが優勝。高温で滑りやすい路面にもかかわらず、前年を確実に上回るラップタイムが記録されました。
世界最高峰の電動バイクレースであるMotoEにおいてミシュランは、フロント用には56%、リヤ用には58%という、高性能の二輪用としては画期的に高い割合でサステナブル材料を使用したタイヤを出場全車に供給。持続可能性の向上と競争力の向上が両立可能であることを示し続けています。