フェラーリが復帰以来土つかずのル・マン3連覇を達成
ミシュランタイヤ装着車が28年連続で総合優勝を飾る
FIA世界耐久選手権(WEC)の2025年シーズン第4戦ル・マン24時間が開催され、フェラーリのサテライトチームであるAFコルセから出場したロバート・クビサ/イーフェイ・イェ/フィリップ・ハンソン組のNo.83 フェラーリ 499Pが優勝。ル・マンの総合優勝争いに2023年より復帰したフェラーリが、土つかずの3連覇を果たす結果となりました。
WECのトップカテゴリーであるハイパーカークラスの単独タイヤサプライヤーであるミシュランは、今大会に出場した21台のハイパーカー全車に製品を供給。日中と明け方では路面温度が10℃以上も異なるという大きな変動の中で、WECハイパーカー用MICHELIN Pilot Sport エンデュランスレーシングタイヤは1セットで750km程度を標準とする長距離での使用において高いグリップ性能を安定的に発揮。各パートナーチームの戦いを力強く支え、このフレンチクラシックにおいてフランス製タイヤの装着車が28年連続で総合優勝を飾るという結果につなげました。
FINAL RESULT / Hypercar class - TOP 6
POS. | No. | TEAM | DRIVERS | CAR | TIRE | LAPS/ GAP |
1 | 83 | AF CORSE | R.クビサ/Y.イェ/P.ハンソン | フェラーリ 499P | MICHELIN | 387 Laps |
2 | 6 | PORSCHE PENSKE MOTORSPORT | K.エストル/L.ファントール/M.キャンベル | ポルシェ 963 | MICHELIN | + 0'14.084 |
3 | 51 | FERRARI AF CORSE | A.ピエール・グイディ/J.カラード/A.ジョビナッツィ | フェラーリ 499P | MICHELIN | + 0'28.487 |
4 | 12 | CADILLAC HERTZ TEAM JOTA | W.スティーブンス/N.ナト/A.リン | キャデラックVシリーズR | MICHELIN | + 2'18.639 |
5 | 7 | TOYOTA GAZOO RACING | M.コンウェイ/小林可夢偉/N.デ・フリース | トヨタ GR010ハイブリッド | MICHELIN | - 1 Lap |
6 | 5 | PORSCHE PENSKE MOTORSPORT | Jアンドロウアー/M.クリステンセン/M.ジャミネ | ポルシェ 963 | MICHELIN | - 1 Lap |
ル・マン24時間 ハイパーカークラス優勝 No.83 フェラーリ 499P
セーフティカーが入るたびに各車のギャップがリセットされたことなどから、スタートから16時間が経過してフィニッシュまで8時間を切った段階でも、12台もの車両が首位との同一周回を走るという混戦模様のレースとなりました。そして、残り5時間を切ったところで、レースリーダーであったNo.51 フェラーリ 499Pがピットロードの入口でスピンしタイムロスしたことを受け、No.83 フェラーリが代わってトップに。唯一の黄色いフェラーリはその後の後続のチャージを振り切って、激闘を制しました。
今大会においてミシュランは、ソフト、ミディアム、ハードの3種類のスリックと、濡れた路面でも乾き始めた路面でも卓越したパフォーマンスを発揮するウェットの、計4種類のタイヤをハイパーカー各車に用意。現地に持ち込んだこれらのタイヤの総数は4100本でした。
WECの通常のシリーズ戦と同様に、ハイパーカー、LMP2、LMGT3という3つのクラスが行われ、計62台がエントリー。トップカテゴリーであるハイパーカークラスには、世界的な自動車メーカー8社のマシンが合計で21台も出場し、そのすべてがミシュランタイヤを使用しました。
ミシュランはスウェーデンのスタートアップ企業ENVIROとの提携により、WECのレースで使用されたすべてのタイヤを熱分解処理し、タイヤをはじめとする製品の製造に活用されるカーボンブラック、オイル、スチールなどの原材料を回収するという取り組みを始めています。
予選は13位にとどまったNo.83 フェラーリでしたが、レースでは長丁場を通して高い競争力を見せ、跳ね馬のル・マン3連覇を実現させました。クビサ(写真のドライバー3名の中央)はポーランド人として初の、イェ(同左)は中国人として初のル・マン総合優勝を飾りました。
No.6 ポルシェ 963は、予選後に車両の最低重量違反が発見されハイパーカークラス最後尾からのスタートとなりましたが、レースでは猛烈なチャージによって序盤のうちに上位へ進出。最終的には首位No.83 フェラーリに14秒差にまで迫っての2位でフィニッシュしました。
予選で速さを見せたのはキャデラック・ハーツ・チームJOTAの2台のキャデラック Vシリーズ.Rで、12号車、38号車の順でフロントロウを独占しました。レースでは予選ほどは目立てず、首位争いに絡むことはありませんでしたが、12号車が4位、38号車が7位でレースを戦い抜きました。
ル・マン初参戦から40周年を迎えたトヨタ。1998年大会出場車両オマージュカラーリングで出場した7号車は、予選でも決勝でも不運に見舞われましたが、それでも5位でゴール。僚友の8号車は5番手走行中のレース終盤に左前輪が脱落するアクシデントがあり、15位に終わりました。
好天に恵まれた今大会は、MICHELIN Pilot Sport エンデュランスレーシングタイヤがその性能を存分に披露できる機会となりました。24時間レースの多くの時間帯ではミディアムタイヤが使用されましたが、1セットで3つのスティントをこなすことを当然のものとして実現し、各パートナーチームが状況に応じて採った多彩なレース戦略を支えました。
今大会の開催期間中、サーキットのパブリックエリアには、将来的な水素燃料電池車両の展示スペース「H2ビレッジ」が設けられ、この「H24EVO」も展示されました。同車が装着しているミシュランタイヤは71%もの高い割合でサステナブル材料を使用しており、ゼロエミッションモビリティの実現を推進するミシュランの姿勢を表すものとなっています。