TRACKHOUSEのフェルナンデスが今季グランプリレース初優勝
複数のライダーにより各種重要記録がことごとく更新される
世界グランプリロードレースは約1カ月の“夏休み”を経て、イギリスのシルバーストーン・サーキットでシーズン後半の戦いを開始しました。2026年シーズンの第12戦として開催された今大会ですが、その土曜日に行われたスプリントレースではAprilia Racingのホルヘ・マルティンが、日曜日に行われたグランプリレースではSuperFile Trackhouse MotoGP Teamのラウル・フェルナンデスがそれぞれ優勝。今シーズン唯一の日本人MotoGPライダーである小椋 藍は、予選で3位・フロントロウを獲得し、スプリントレースは2位でフィニッシュ。グランプリレースは転倒リタイアという結果となりました。
今大会では、オールタイムラップレコード(当該サーキットにおけるMotoGPマシンでの史上最速ラップタイム)、シルバーストーンを10周するスプリントレースの優勝レースタイム、20周で行われるグランプリレースの優勝レースタイム、グランプリレースにおけるファステストラップ、当該サーキットにおけるMotoGPマシンの最高速度といった重要記録が複数のライダーによってことごとく更新され、マシンやライディングの進化とともに、MotoGPの公式タイヤサプライヤーであるミシュランが提供している製品とサービスの確かさが実証されました。
GRAND PRIX RACE RESULT - TOP 6
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | FRONT/REAR TIRE | TIME/GAP |
1 | 25 | ラウル・フェルナンデス | APRILIA | SuperFile Trackhouse MotoGP Team | F: HARD/R: MEDIUM | 39'45.930 |
2 | 89 | ホルヘ・マルティン | APRILIA | Aprilia Racing | F: HARD/R: MEDIUM | + 2.538 |
3 | 72 | マルコ・ベッツェッキ | APRILIA | Aprilia Racing | F: HARD/R: MEDIUM | + 3.393 |
4 | 73 | アレックス・マルケス | DUCATI | BK8 Gresini Racing MotoGP | F: HARD/R: MEDIUM | + 4.702 |
5 | 37 | ペドロ・アコスタ | KTM | Red Bull KTM Factory Racing | F: HARD/R: MEDIUM | + 6.256 |
6 | 49 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | F: HARD/R: MEDIUM | + 6.382 |
SPRINT RACE RESULT - TOP 3
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | FRONT/REAR TIRE | TIME/GAP |
1 | 89 | ホルヘ・マルティン | APRILIA | Aprilia Racing | F: HARD/R: SOFT | 19'49.066 |
2 | 79 | 小椋 藍 | APRILIA | SuperFile Trackhouse MotoGP Team | F: HARD/R: SOFT | + 1.530 |
3 | 72 | マルコ・ベッツェッキ | APRILIA | Aprilia Racing | F: HARD/R: SOFT | + 3.974 |
イギリスGP優勝 ラウル・フェルナンデス(アプリリア RS-GP)
小椋 藍のチームメイトであるフェルナンデスは、予選で2位を獲得したものの、スプリントレースでは転倒を喫してリタイアに終わりました。意を決して臨んだ翌日のグランプリレースでは、スタート直後から首位に立つと、同じアプリリア RS-GPを駆るマルコ・ベッツェッキやホルヘ・マルティンの追撃を寄せ付けず、レースを見事にコントロールし切ってフィニッシュ。MotoGP通算2勝目、今シーズンでは初めてとなる勝利をもぎ取りました。彼の優勝レースタイムは従来記録を約6秒も短縮するものでした。
なお、イギリスGPでは毎年異なるライダーがグランプリレースを制する事態が続いていますが、フェルナンデスの勝利によってその記録がまたも更新され、これまでの12回の大会で12人目のウィナー誕生となりました。
シーズン随一のハイスピードコースでありながらテクニカルな区間も持つシルバーストーン。高速コーナーが連続し、急加速も繰り返されるレイアウトであり、リヤタイヤは高い負荷にさらされ続けることに。また、ハードなブレーキングゾーンもあり、フロントタイヤは多大なストレスを再三再四受け止める必要があります。
金曜日のプラクティスの時点ですでに8人のライダーが従来のオールタイムラップレコードを上回りました。そして土曜日に行われた予選においてAprilia Racingのホルヘ・マルティンがポールポジションを獲得。彼が叩き出した最速タイム 1分56秒160は、従来記録を1秒以上も更新する新しいオールタイムラップレコードでした。
ミシュランは今大会用のソフトタイヤを、構造の剛性を高めた特別仕様としました。大半のライダーがそのソフトタイヤを選んだスプリントレースでは、#89 マルティンが一度も首位の座を譲ることなく優勝。#79 小椋が続いて、今季3度目のスプリントレース2位に。#72 マルコ・ベッツェッキが3位に入り、アプリリア勢がトップ3を占めました。
グランプリレースは路面温度45℃のもとで行われ、全ライダーが、フロントにハード、リヤにミディアムを選択。終始独走したフェルナンデスが勝利を手にしました。2位争いはAprilia Racingのチームメイト同士により繰り広げられ、マルティン、ベッツェッキの順でゴール。このレースもアプリリア勢が表彰台を独占しました。
世界ランキング2位につけながら過ごした1カ月の夏休みでも自己鍛練に明け暮れていた小椋。予選は3位、スプリントレースは2位と、またしてもスピードを印象づけました。グランプリレースでは、9周目にフロントを滑らせて転倒。今大会の結果、小椋はランキング3位に後退しましたが、今シーズンはまだ10戦が残っています。
グランプリレースの2周目にフェルナンデスが1分58秒457で周回し、これがイギリスGPのグランプリレースにおけるファステストラップの新記録となりました。そのタイムから0.2秒遅いだけの1分58秒652を、タイヤの摩耗が進行したはずの14周目にBK8 Gresini Racing MotoGPのアレックス・マルケスがマーク。ミシュランタイヤのグリップの高い安定性が示されたパフォーマンスでした。