目まぐるしく変わる天候とタイヤに厳しいコースにおいて
ミシュランの各種タイヤがユーザーの信頼に応える
ロードレース世界選手権の2026年シーズン第18戦オーストラリアGPは、開催地であるフィリップアイランド(メルボルン南方の海上にある小島)が決勝日であった10月25日には分厚い雨雲に覆われ、医療用のヘリコプターが十分な視界を確保できないため島に到着できない状況が続き、結果的にMoto3、Moto2、MotoGPというすべてのクラスの決勝レースが中止になる事態となりました。ただ、その前日までの各走行セッションは予定どおりに行われており、ドライコンディションのもと13周で実施されたスプリントレースはDucati Lenovo Teamのマルク・マルケスが制しました。
今大会が行われたフィリップアイランド・サーキットはタイヤの左側と右側でショルダー部にかかる負荷が大きく異なるコースであり、左側に高い負荷がしばらくかかり続け、その間に温度が下がった右側のトレッドが接地した瞬間に作動温度へ戻して高いグリップ力を発生せねばならないという高度な要求がタイヤに課されます。そして、今回のオーストラリアGPの週末は例年以上に天候が目まぐるしく変わるものとなりましたが、ミシュランがMotoGP出場全車に供給した公式タイヤはドライコンディションにおいてもウェットコンディションにおいても高いパフォーマンスを安定的に発揮し、ユーザーであるMotoGPライダー/チームからの信頼に応えました。
SPRINT RACE RESULT - TOP 3
POS. | NO. | RIDER | MAKE | TEAM | FRONT/REAR TIRE | TIME/GAP |
1 | 93 | マルク・マルケス | DUCATI | Ducati Lenovo Team | F: HARD/R: SOFT | 19'09.411 |
2 | 73 | アレックス・マルケス | DUCATI | BK8 Gresini Racing MotoGP | F: HARD/R: SOFT | + 0.323 |
3 | 49 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | DUCATI | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | F: HARD/R: SOFT | + 0.590 |
オーストラリアGP スプリントレース #93 マルク・マルケス vs #89 ホルヘ・マルティン
10月24日の午後3時にスタートが切られたスプリントレースは、31℃と比較的低めの路面温度のドライコンディションでの開催でしたが、MotoGPの全ライダーが使用するミシュランタイヤはレースを通じて優れた安定性と一貫性を提供しました。その中でも、ライダー選手権の1位と2位につけて今大会に臨んだ#89 ホルヘ・マルティンと#93 マルク・マルケスのふたりが、1周のうちに何度もポジションを入れ替えるような激しいドックファイトによるトップ争いを演じてサーキットを沸かせました。しかし、13周のレースが折り返しを過ぎた8周目にマルティンが痛恨の転倒を喫し、その後、#73 アレックス・マルケスが兄マルク・マルケスに詰め寄っていきましたがオーバーテイクを仕掛けるには至らず、マルク・マルケスが今季9度目のスプリントレース優勝を飾りました。
ドライコンディション用のMICHELIN Power Slickでは、大半のコースにおけるフロントタイヤは左右対称の構造/コンパウンドとしていますが、車体を左側に傾けた状態で走る割合が高いこのフィリップアイランドでは、リヤ用とともにフロント用も左側ショルダー部を強化した左右非対称仕様としました。
土曜日の予選はハーフウェット路面において行われ、MICHELIN Power Rainの出番でした。フロント用、リヤ用ともにソフトとミディアムの2仕様がありましたが、リヤはソフトの一択に。フロントのコンパウンド選択は分かれました。そして#93 マルク・マルケスが今季4度目のポールポジションを獲得しました。
予選終了から3時間半後にスタートしたスプリントレースはドライコンディションでの実施となり、ほとんどのライダーがフロントにハード、リヤにソフトのMICHELIN Power Slickを使用。#93 マルケスと#89 ホルヘ・マルティンが抜きつ抜かれつの凄まじいバトルを繰り広げ、マルケスが勝利をつかみました。
決勝日は強い雨が朝から降り、視界不良により医療用ヘリコプターが運航できない状態が続いたことから、すべてのクラスの決勝レースが開催中止に。現地に集まったファンのために3周のパレード走行が行われました。なお、フィリップアイランドでのオーストラリアGP開催は今回で一旦最後となります。
SuperFile Trackhouse MotoGP Teamの小椋 藍は、ハーフウェットの予選では12位となり、4列目のグリッドからスプリントレースをスタート。毎周のように前走車を攻略していき、10周目には6番手にまで浮上するとそのポジションでフィニッシュ。ライダー選手権ランキング4位をキープして、今シーズンも残るは4戦に。
フィリップアイランドでの開催は一旦最後となるオーストラリアGPでグランプリレースを実施できなかったことは残念でしたが、ドライ用タイヤもウェット用タイヤも非常に好意的なフィードバックが各ライダーから寄せられ、技術的な観点からするとミシュランとしては前向きな評価を得られた週末でした。