真夏の富士決戦でミシュラン勢は1台が予選Q2進出を果たし
決勝では2台ともレースを堅調に走り切る
人気レースシリーズであるSUPER GTの2026年シーズン第3戦が富士スピードウェイにおいて300kmレースとして開催されました。今大会でも2台のミシュランタイヤ装着車がGT300クラスに出場し、No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW(冨林勇佑/藤原優汰)がクラス16位で、No.20 シェイドレーシング RC F GT3(平中克幸/清水英志郎)がクラス26位で、それぞれレースをフィニッシュしました。
No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWはハードコンパウンドを、No.20 シェイドレーシング RC F GT3はソフトコンパウンドをそれぞれこの週末を通じて使用するなど、2台のアプローチは異なっていましたが、300kmの決勝レースにおける両車の走りは各々のペースにおいて安定したものでした。また、予選ではNo.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWが今シーズン2度目のQ1(予選第1セッション)突破を果たすなど、一定の速さを見せました。
FINAL RESULT / GT300 - TOP 6 & MICHELIN Partners
POS. | NO. | CAR | DRIVERS | TIRE | TIME / GAP |
1 | 52 | Green Brave GR Supra GT | 吉田 広樹/野中 誠太 | BRIDGESTONE | 2:24'28.036 |
2 | 32 | ENEOS X PRIME AMG GT3 | 石浦 宏明/鈴木 斗輝哉 | BRIDGESTONE | + 0'07.881 |
3 | 7 | CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO | ザック・オサリバン/梅垣 清 | YOKOHAMA | + 0'09.156 |
4 | 45 | PONOS FERRARI 296 EVO | 篠原 拓朗/川端 伸太朗 | YOKOHAMA | + 0'09.660 |
5 | 56 | リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R | J.P.デ・オリベイラ/木村 偉織 | YOKOHAMA | + 0'17.268 |
6 | 666 | seven × seven PORSCHE GT3R EVO | スヴェン・ミューラー/藤波 清斗 | YOKOHAMA | + 0'19.189 |
16 | 9 | PACIFIC ウマ娘 NAC BMW | 冨林 勇佑/藤原 優汰 | MICHELIN | - 1 Lap |
26 | 20 | シェイドレーシング RC F GT3 | 平中 克幸/清水 英志郎 | MICHELIN | - 2 Laps |
SUPER GT第3戦 富士 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW
今大会における9号車用のスリックタイヤとしてはミディアムコンパウンドとハードコンパウンドの2種類の用意がありましたが、PACIFIC RACING TEAMは予選からハードを選択してQ1(予選第1セッション)を見事に突破。決勝レースでも安定したペースで走り続けましたが、ポイントを獲得できる順位にはひとつだけ届きませんでした。
中東情勢不安をはじめとする世界情勢を考慮し、6月にマレーシアで開催予定だった第3戦が延期となり、今大会は5月初頭の第2戦以来、3カ月ぶりのSUPER GT戦でした。富士スピードウェイを舞台とするレースが結果的に2大会連続で行われることになりました。
気温が32〜33℃、路面温度が43〜44℃という真夏の一戦らしい温度レンジの中で行われた公式予選。ミシュランタイヤを使用してGT300クラスに出場する2台のうち、No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWがQ2進出を果たし、予選13位という結果を確保しました。
にわか雨がレース前に降ったことで、スタート時の路面は湿り気を帯びた状態に。グリッドに着いたミシュラン勢は、ウェット用タイヤを傍らにスタンバイさせつつ、スリックタイヤを選択してスタート。見込みどおり、路面は急速に乾いていきました。
決勝は、途中に1度ピットストップがあり、給油とドライバー交替は必ず行わねばならない300kmレースとして開催されました。前半と後半の両スティントをハードコンパウンドのミシュランタイヤで走ったNo.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWは16位でフィニッシュしました。
23番手グリッドからスタートしたNo.20 シェイドレーシング RC F GT3は、レースを通じてソフトコンパウンドのミシュランタイヤを使用しました。後半スティントで何らかの不具合によりペースダウンを余儀なくされましたが、3戦連続での完走を果たしました。
レースを通じてハードコンパウンドを使用したNo.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWは一定の競争力を見せ、終盤の接触がなければポイントを獲得できたであろうペースで走りました。ただし、タイヤ性能的に改善の余地がまだまだあることも確かでした。
【GT300クラス予選】
SUPER GTの予選は、Q1(予選第1セッション)とQ2(予選第2セッション)という2段階のステージで行われます。Q1の上位車両だけがQ2に進出できる仕組みですが、出場台数が多いGT300クラスの場合、Q1はA組とB組の2つのグループに分けて実施され、各組の上位9台までがQ2に進めるルールとなっています。
今大会の予選は終始ドライコンディションのもとで行われ、GT300クラス Q1のA組では気温33℃/路面温度44℃、B組では気温32℃/路面温度43℃でした。Q1における2台のミシュランタイヤ装着車は、No.20 シェイドレーシング RC F GT3がA組、No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWがB組に振り分けられました。
No.20 シェイドレーシング RC F GT3はソフトコンパウンドのMICHELIN Pilot Sport SUPER GTレーシングタイヤを履き、清水英志郎が乗り込んでQ1のA組に出走しました。同車のベストタイムはA組の12番手となるもので、Q2進出はならず、総合での予選順位は23位となりました。
No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWは予選アタックにもハードコンパウンドを選び、Q1のB組に冨林勇佑がステアリングを握ってコースイン。A組で20号車が記録したものより0.8秒も速いタイムをマークし、セッション7位となってQ1突破を果たしました。
GT300クラスのQ2は気温32℃/路面温度42℃での実施で、No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWはQ1同様にハードコンパウンドを履いて出走。同車に乗り込んだ藤原優汰は2周をかけてタイヤに熱を入れてハイレベルのグリップを得られる状態を作り出すと、続く2周を連続してタイムアタック。予選13位のポジションを確保しました。
【GT300クラス決勝】
決勝日の富士スピードウェイは、午前中は晴れていたものの、お昼を過ぎたところでにわか雨が。ほどなく止んだものの、路面が湿り気を帯びたコンディションで決勝のスタートを迎えることになりました。そこでウェット用のタイヤを装着した車両もありましたが、大半の車両はドライコンディション用タイヤを選択。No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWとNo.20 シェイドレーシング RC F GT3のミシュランユーザー2台もそうでした。
セーフティカー先導のもとで4周を走ったところで、決勝レースのスタートが切られました。その刹那、GT500クラスの複数の車両がメインストレートで交錯し、1台が宙に舞い上がってクラッシュするアクシデントが発生。ただちに赤旗が提示され、30分余の中断を経て、スタートがやり直されました。
藤原優汰が乗り込み、予選で使用したハードコンパウンドのスリックタイヤを装着したNo.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWは、前半スティントの多くで12番手につけ続けました。一方、平中克幸がステアリングを握り、ソフトコンパウンドを履いたNo.20 シェイドレーシング RC F GT3は、スタート位置と同じ23番手を走り続けました。
コースの路面は前半スティントの序盤のうちに完全に乾きましたが、その前半スティントの途中で一時的に小雨がパラつくことがありました。しかし、路面を濡らすほどにはならず、各車スリックタイヤのままでの戦いが続きました。
そして26周目を終えたところでNo.20 シェイドレーシング RC F GT3がルーティンのピットストップを実施。前半スティントと同じソフトコンパウンドのニュータイヤに換え、平中から清水英志郎に交替しました。
その3周後にはNo.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWがピットへ。同車も前半スティントと同じハードコンパウンドのニュータイヤへの交換と、藤原から冨林勇佑へのドライバー交替を行いました。
GT300クラスの全車がルーティンのピットストップを終えた時点で、No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMWは16番手につけていました。その後、2つ順位を上げましたが、他車との接触によってポジションを落とし、最終的には16位でフィニッシュしました。
一方、後半スティントでのNo.20 シェイドレーシング RC F GT3には、ペースの維持に苦しむ事態が続きました。清水が精一杯のドライビングを見せましたが、複数のライバルに前へ出られることを余儀なくされ、26位で完走という結果となりました。
■日本ミシュランタイヤ モータースポーツフェロー 小田島広明のコメント:
「今週末に我々ミシュランは、ドライコンディション用のスリックタイヤに関しては、9号車には今大会におけるミディアムコンパウンドとハードコンパウンドを、20号車にはソフトコンパウンドとミディアムコンパウンドをそれぞれ用意しました。9号車は予選と決勝の双方でハードタイヤを使用しました。一方、20号車は週末を通してソフトタイヤを使いました。
今日はレース前に雨が降りましたが、路面温度は高いままだったので、非常に速く乾きました。そのため、ウェットタイヤへの交換が必要になる状況にはなりませんでした。9号車は、ポイント獲得可能なペースを維持し、レースの大半において中団グループで走行しました。ポイント獲得は逃しましたが、マシンは非常に安定して走行していました。20号車については、何が起こったのか正確に把握するのが少し難しい状況です。レース中に雨が降り始めたこともあり、タイヤの問題だけではなく、多くの外的要因が影響したように感じています。
5月の第2戦と同じ富士スピードウェイでのレースでしたが、温度レンジが大きく異なりました。我々は、パートナーチームとの検討をもとに特定された課題や、前回のレースからの進化などを考慮して今回のレースに臨みました。しかし、最終的には天候条件によってタイヤを適切に評価することが困難になりました。技術的に何が起こったのか、今後より詳細に分析する必要があります」