サステナブル材料使用比率57%の新型ウェットタイヤがデビュー
トヨタが1-2フィニッシュでマニュファクチャラーズタイトルを決める
トップカテゴリーであるハイパーカークラスにおいてミシュランが単独のタイヤサプライヤーを務めている世界耐久選手権(WEC)の2026年シーズン第7戦がスペインのカタルニア・サーキットで6時間レースとして行われ、Toyota RacingのNo.8 トヨタ TR010ハイブリッドが優勝。同車をドライブしたセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川 亮のトリオが今シーズン3勝目をマークしました。2位にも同チームのNo.7 トヨタ TR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース)が入って、トヨタは1-2フィニッシュを達成。そして今大会の結果、今シーズンのハイパーカーマニュファクチャラー選手権の王座をトヨタが獲得することが決まりました。
今大会においてミシュランは、サステナブル材料の使用比率を従来の45%から57%に引き上げつつ、ウェット路面でのグリップ性能の向上、ロングライフ化、そして“ブリスタリング”(トレッド表面に水ぶくれのような現象が生じること)への耐性強化を図った新型ウェットタイヤ『MICHELIN Pilot SportエンデュランスW』を初めて実戦に持ち込みました。すると6時間レースは図らずも雨の中で開始されることになり、この新しいウェットタイヤは降雨の強弱にかかわらず、またレーシングラインが乾き始めるような状況下でも最適なグリップ力を提供。路面が乾いてからはスリックタイヤであるMICHELIN Pilot Sportエンデュランスタイヤのソフトとミディアムの両コンパウンドが使用され、ミシュランパートナー各チームの多様なレース戦略の遂行を支えました。
FINAL RESULT / Hypercar class - TOP 6
POS. | NO. | TEAM | DRIVERS | CAR | TIRE | TIME / GAP |
1 | 8 | Toyota Racing | S.ブエミ/B.ハートレー/平川 亮 | トヨタ TR010ハイブリッド | MICHELIN | 198 Laps |
2 | 7 | Toyota Racing | M.コンウェイ/小林可夢偉/N.デ・フリース | トヨタ TR010ハイブリッド | MICHELIN | + 0'00.583 |
3 | 50 | Ferrari AF Corse | A.フォコ/M.モリーナ/N.ニールセン | フェラーリ 499P | MICHELIN | + 0'39.725 |
4 | 38 | Cadillac Hertz Team Jota | E.バンバー/S.ボーデ/J.エイトケン | キャデラック Vシリーズ.R | MICHELIN | + 0'52.811 |
5 | 83 | AF Corse | Y.イェ/R.クビサ/P.ハンソン | フェラーリ 499P | MICHELIN | + 0'53.353 |
6 | 12 | Cadillac Hertz Team Jota | W.スティーブンス/N.ナト/A.リン | キャデラック Vシリーズ.R | MICHELIN | + 1'20.751 |
カタルニア6時間 ハイパーカークラス優勝 No.8 トヨタ TR010ハイブリッド
カタルニア・サーキットにおいてWECのレースが開催されたのは今回が初めてでしたが、同所の特性についての知見をミシュランは豊富に持っています。その実、今シーズンのWEC開催サーキットの中で最もタイヤへのエネルギー負荷が高いのがこのカタルニアでしたが、ミシュランが今大会に用意した計3種類(2種類のスリックと新型ウェット)のタイヤは、各々の対応レンジの幅広さをもって守備範囲をカバーし合いました。おかげでハイパーカークラスの各チームは戦略の自由度を高めることができましたが、その中でもひときわ強さを見せたToyota Racingが今回のレースの主導権を握り続け、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川 亮組の8号車が前戦の富士6時間に続いて優勝を飾り、トヨタがWECのトップカテゴリーにおいて通算8度目となるマニュファクチャラーズタイトル獲得を決めました。
不安定な状態が続く中東情勢を受けて、カタールを予定していた第7戦(今大会)はカタルニアに、シリーズ最終戦である第8戦はバーレーンからイタリアのモンツァに開催地が変更されました。カタルニアでのWECの開催はこれが初めてでしたが、ミシュランは自信を持って今大会に臨みました。
ミシュランはハイパーカークラス用のウェットタイヤについて、再生可能素材およびリサイクル素材の使用比率を57%にまで高めた新型を今大会から実戦配備。同比率50%のドライタイヤと合わせて、ミシュランが掲げるオールサステナブル戦略を最高峰のレースにおいてもまた一歩推し進めました。
決勝日は雨模様で、全車がウェットタイヤを履いてスタートしましたが、約1時間半で雨が上がり、路面はどんどん乾いていきました。そうした中でも新型MICHELIN Pilot SportエンデュランスWは高いグリップ性能を安定的に発揮し続け、各チームのタイヤ交換タイミングの自由度を高めました。
スタートから約2時間で路面はほぼドライとなり、各チームはソフトのスリックに順次スイッチ。カタルニアは車両左側の車輪により強い負荷がかかることから、その後は左側にだけミディアムコンパウンドを使用するチームも。ミシュランタイヤの懐の深さが、こうした幅広い戦略を可能にしていました。
アクシデント処理のためにレースが中立化され、それまでに築いてきたマージンがリセットされることもありながら、2台のトヨタ TR010ハイブリッドは初のWECバルセロナ戦を完全に支配。Toyota Racingとしては今季4勝目を挙げ、最終戦を待たずにマニュファクチャラーズタイトル獲得を決めました。
再生可能素材やリサイクル素材の使用比率を上げつつ、タイヤ性能も向上させるという課題に取り組んだ成果としての新型MICHELIN Pilot SportエンデュランスW。それが狙いどおりのパフォーマンスを示し、さらに、用意したすべての仕様のタイヤが使われて互いに補完し合うことが確認でき、ミシュランとしては非常に大きな手応えを得られた週末となりました。